第30話 持たざるリスクなんてものはない
持たざるリスクなんてものはない
株式取引の世界では「持たざるリスク」という言葉がよく出てきます。
本当に「持たざるリスク」なんてものは存在するのでしょうか。
たとえば上昇相場で、今、株式を保有していなければ儲け損なう。
これを「持たざるリスク」と呼ぶ人たちがいるのです。
たいていは仕手株と呼ばれる、仕手本尊が相場を操りたいときに発しています。
つまり「この株価なんだから、買わなければ儲けに乗り損ねるぞ」というわけです。
ですが「今が買いどき」なんていう情報が『Yahoo! ファイナンス』や『Twitter』などに書き込まれたら、それはもう天井が見えている状況なのです。
「イナゴ」と呼ばれる初心者を誘い込んで「イナゴタワー」を形成させ、株価を吊り上げたら一気に売り崩す。
もちろん仕手本尊が最高値で売り浴びせ、次いで仕手幹部から順々に売ってきます。
そうして大暴落が引き起こされるのです。
『Yahoo! ファイナンス』も『Twitter』も、そんな「おいしい情報」が載っているなんてそもそもおかしいのです。
皆が「おいしい情報」に釣られてその銘柄を買ったとして、いつ売り抜けるつもりなのでしょうか。
実は「おいしい情報」に飛びつく人ほど、いつ売ればよいのかを知らないのです。
なぜ「今買えば儲けられる」と判断するのでしょうか。
『Yahoo! ファイナンス』や『Twitter』で「おいしい情報」が書いてあったから。
これではいつ、いくらで売ればよいのか。「売りどき」がわからないのです。
どうしても「持たざるリスク」は回避して、ぜひ儲けを取りに行きたいのなら、いっそ取引時間内では『Yahoo! ファイナンス』や『Twitter』を見ない決断をするべきです。
純粋に日足チャートや5分足チャートと、板情報や歩み値の変化を読み取って、自分の意志で「上昇トレンドに乗った」と判断し「この調子ならいくらまで上がるから、安全を考えてそこから指値3つ下で売り抜けよう」と「売りどき」まで計算してください。
それでもあなたの相場観からは「なぜこんなに株価が急騰または急落しているのかわからない」と疑問に思ったとき、その原因を探るために『Yahoo! ファイナンス』や『Twitter』を見るのは「あり」です。
というより、その目的以外で『Yahoo! ファイナンス』や『Twitter』は参考になりません。
「今買えば」なんて煽りに乗らず、自力で「今買おう」と思える状況が来るまで待つ。
「持たざるリスク」で煽ってくる書き込みに反応しないようにしてください。
そんな煽りが書き込まれた時点で、その上昇相場は終わっているも同然なのです。
すぐに売り浴びせが起こりますよ。
これから株式取引を始めるために証券口座を開いた方は、最初は『Yahoo! ファイナンス』や『Twitter』などで、あえて情報を収集してみてください。そして「今買えば」「今買わないと」と煽るコメントを見たら、手を出さずにその成り行きを見守るのです。
実際に売り崩しが起きたのを確認すれば、以降で煽りには乗らなくなります。
株式取引に「持たざるリスク」なんてものはないのです。
それに煽られて買ってしまうから、かえって「リスク」を抱えます。
「持たざるリスク」に従わずスルーする「持たずに様子を眺める」余裕が欲しいのです。
勝てる株式取引では「持たないメリット」のほうが大きいのです。
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