第48話 逃亡者、ミアの力を知る
ミアとクルトの模擬戦が始まる
クルトはやっぱり剣で戦うみたいだ。
始めは距離をとっているから如何に距離を保ったまま戦えるかが勝負の鍵を握っている
ミアはレベルアップで新しく攻撃魔法を覚えていて、基本の4属性(火、みず、風、土)と光と聖属性が使える。
どれもレベルは低くてアタッカーの魔法士に比べて威力は弱くて各属性を乗せた魔力を球として飛ばすことしか出来ない。
ミアは自分に支援魔法を掛ける
クルトは様子見かな、準備する時間を待ってるのかもしれない。
ミアがクルトに向かって光球を放つ
……ん、でかくないか?
クルトは間一髪のところで回避する
クルトの表情から笑みが消える
クルトが距離を縮めようとするが、ミアが光球で弾幕を張る。10発程の光球が隙間なくクルトを襲った結果、クルトは回避を諦めて防御に徹する。
しかし、クルトは吹っ飛び立ち上がるのがやっとな状態になった
「降参しますか?しないならもう1発当てますよ」
ミアが勧告する
「やめてくれ、降参する。何発も喰らったら死んでしまうよ」
クルトは降参した
僕の予想に反してミアが圧勝したな。
ミアのスキルとステータスであんなに威力が出るとは思わなかったんだけどな…
下手したら僕も負けるかもしれない……
「ミア、ちょっとこっち来て」
僕はミアに手招きする
褒めてもらえると思ったのかすごい笑顔で走ってきた
……それどころではない気がするけどまずは褒めよう
「よくやったね。僕が思ってたよりミアはすごかったね」
「がんばったよ」
「ちょっと僕に支援魔法使ってもらえる?気になることがあるから」
「……?いいけど」
ミアは不思議そうな顔をしながらも僕に支援魔法をかけてくれる
ステータスを確認するとパラメータが1.5倍程まで上昇していた。
……え?前は1.2倍くらいだったよね
「フィル、フェンちょっとこっち来て」
僕は2人を呼ぶ
「フィルにも掛けてみて」
ミアはフィルにも支援魔法をかける
やっぱり1.5倍くらいになってる
「次はつえ使わずにフェンに掛けてみて」
ミアは杖を置いて支援魔法をフェンに掛ける
1.25倍くらいか
「ありがとう、杖なしで向こうに光球撃ってもらえる?」
ミアは光球を放つ
僕が当初想定していたより少し高い威力の光球だった。
うん。杖がおかしいんだな。
ミアもかなり強くなってるけど、杖の性能のせいで化け物みたいになってる
「ミア、その杖の事は極力内緒にしよう。性能がおかしい」
「うん」
「それじゃあ、クルトに治癒魔法かけてあげて。……ボロボロたから」
ミアはクルトの治療にいき、元気になったクルトがこっちにくる
「……聞いてもよろしいですか?ハイトさんはミアさんよりも強いんでしょうか?」
話し方が変わってるな
「急にかしこまらないでください。さっきの模擬戦だって距離が近いところから始めてればクルトが勝ってましたよ」
「……慰めはいらないよ。近づいたところでやられてたさ」
……うーん。これは本当なんだけどな、近距離で戦うすべはないし。言うか言わないか迷うけど、調べればわかる事だし言っとくか
「本当ですよ。ミアに接近戦が出来るスキルはありませんからね。実践なら結果は違ったかもしれません。……そもそもミアは支援職てすよ。パーティでは後衛のバッファーです」
クルトは開いた口が塞がらないようだ
「……自信をなくすよ」
クルトは落ち込んでしまった
「……どうしますか?僕ともやりますか?」
酷な事を聞いてしまっただろうか…
「……頼むよ、力を見るのが目的だからね」
「わかったよ。マスターもう1試合立ち合いお願いします」
「ルールはさっきと一緒でいいかな?」
「いいですよ。ただ、僕は手加減が苦手なので気をつけて下さい。」
僕とハイトは向かい合う
「武器は構えないのかい?」
「武器を使ったら多分殺してしまいます」
「ハイトくんがそれでいいならいいよ。今度は最初から全力でいく」
マスターの開始の合図でクルトが距離を詰めて剣を振り下ろす
ステータスの違いで剣の軌道がよく見える。
僕は剣の腹を殴りつけるとクルトは剣を離してしまう
何が起きたのかわかってないのだろう。呆然としているクルトの顔に手を置いて降参を促す
「このくらいでいいかな?」
「…!ああ、降参する」
ふぅ、降参してくれてよかった
「誘っといて悪いんだけど、ハイトくん達と一緒にダンジョンの攻略は出来そうにないよ」
力を見せたはずなのに断られてしまった
「僕達の方が足手まといになってしまう」
「そんな事気にしなくていいよ」
「いや、ダメだ。迷惑をかけるわけにはいかない」
本当に気にしなくていいんだけどなぁ
「わかった。気が変わったら教えてね。あと、可能なら僕達がダンジョンの攻略をするよ。計画自体は僕もいいと思ったからね」
「無理はしないでいいからね」
「僕も他人事ではないからね」
僕はフィルとフェンを見ながら言う
「何かあったらマスターに伝えて欲しい。マスターも計画のことは知ってるからね。情報交換もしよう」
「わかったよ」
当初の目的も終わってるしギルドを出ようとしたらマスターに呼び止められた
「ギルド証を出してくれ、ハイトとミアのランクをCに上げる。実際はSでもいいんだけどな。マスター権限で上げれるのはCまでなんだ」
もらえるものはもらっとくか…
僕とミアはギルドのを渡す
「Cランク昇格の最高記録ぶっちぎりで更新だな!」
マスターの言葉に断れば良かったと後悔する
「……あんまり目立ちたくないんですが」
「記録に残るだけで公開はしてないから安心しろ。普通の冒険者は名が売れる事を喜ぶんだがな」
なにぶん、王国では死んだことになってる身なのでね…ははは
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