第5話間話 side 委員長

目を開けると真っ白な空間にいた。


「あれ、ここどこ?……急に眩しくなって……、さっきまで教室で授業を受けてたと思うけど…」


置かれている状況に頭が追いつかない。


周りを見渡すとクラスメイトの姿があった


皆、キョロキョロと周りを見ている


私はたまたま隣にいた友達の紗香に声を掛ける


「大丈夫?私たち学校の教室にいたはずよね、ここがどこかわかる?」


「ううん、わからない。私達これからどうなるの?怖い」


「私もわからないけど、きっと大丈夫よ!」


震えている紗香を励ましていると…


「異世界召喚きたー!」


後ろから声が聞こえたので振り向くとクラスメイトの小山君が興奮気味に叫んでいた。


小山君は「これ異世界召喚だよな?魔法陣みたいのが光って白い空間に飛ばされるって」などと友達2人とワイワイ話している。


あの3人は休み時間にゲームの話とか漫画の話とかいつもしてたし、そうゆうシチュエーションに現状が近いのかな?

私はあんまり詳しくないけど、昔見たアニメだとこの後どうなるんだっけ?


泣き声や怒鳴り声が周りから聞こえ出し、そちらも気になるが、今は現状に詳しそうな小山君達に話を聞くのがいいだろうと紗香を連れて行き声を掛ける


「ねぇ、小山君。これって異世界召喚ってやつなの?私あんまり詳しくないんだけど…」


「あ、委員長。うん、そうだと思う。いつも読んでるラノベの状況に今の状況は酷似してるから間違いないはず」


小山君は興奮冷め止まぬまま答えてくれる


「少し落ち着いて。この後どうなるかわかる?」


小山君を落ち着かせつつ確認する。


「タイプによって異なるけど、白い空間で目を覚ますパターンだとこの後は神様が現れて異世界に飛ばしてくれる事が多いかな。」


「そうなの?日本には帰れるの?」


「魔王を倒して地球に帰ってハッピーエンドみたいな話もあるけど、大体は帰れなかったと思う」


これを聞いて紗香が泣き出す。

紗香を落ち着かせつつ、話を続ける?


「この後私達はどうすればいいのかな?」


「展開次第だけど、神様には逆らわない方がいいと思う。僕達みたいに集団で召喚された場合は見せしめに1人くらい殺されちゃうかもしれない。

あと、召喚した相手が必ずしも善人とは限らないからそこも注意かな?魔王を倒して救って欲しいとか言ってて実は人間側が悪だったみたいな話もよく見るよ」


小山君の話に衝撃を受ける。


「まぁ、実際は召喚とかなくて爆発で全員死んじゃっただけかもしれないけどね」


小山君は笑いながらそんな事を言った。

実に楽しそうだ

私はこれからに不安しかないが小山君の目は希望に満ち溢れていた。


小山君から色々と話を聞いた後、他のクラスメイトの様子を見に行く。


大体のクラスメイトは一緒に召喚?された歴史の桜先生と一緒にいた。

こんな状態でも皆を安心させようと動いてくれる立派な先生だ。


先生の所にいなかったのは小山君達3人と私と紗香そして影宮君をイジメてた高村君達の4人グループだけだ。


桜先生と話をして、さっき小山君から聞いた事も伝えておく。


結構な時間が経ったからだろう。

周りを見渡すと半分くらいは横になって寝ている。他の人もおしゃべりしていて内容も気の抜けた内容が多くなってきている。



真実から目を背けてきたが、どうしても知らないといけない事がある私は、なんだかんだでこの場では頼りになるであろう小山君達に話を聞きに行く


「みんなの様子を見てきたんだけど影宮君が何回探してもいないの。小山君ここにきてから影宮君を見てない?」


「…見てないな。いないの?」


「うん。あの時教室には影宮君はいたと思うけど…」


「教室にいたかはわからないけど、この状況で影宮の奴だけがいないってのは気になるね。もしかしたら影宮が何かをしたから僕達はここにいるのかもしれない」


私もそうかもしれないと内心思ってしまっていた。影宮君イジメられてたし、どうやったかはわからないけど私達を恨んでてもおかしくない。だから、影宮君がいない事から目を背けていた。


「あと、私達はいつまでここにいればいいの?」


体感だがここにきてから半日以上は経ってる気がする。


えっ、私達このままここに放置なの?

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