第11話 表彰された!

『パンドラ』討伐から一夜明け、俺とジェニファーは、町の冒険者ギルドに来ていた。


「これが冒険者ギルド!」

5階建てのレンガ作りの建物にとても驚いた。俺の故郷じゃこんな物ないからな!


「さっさと行くよー。…ちゃんと話は合わしてね。本当のこと言うと…晒し首だから。」

ジェニファーは覚悟を決めているようだった。『冒険の書』を紛失したくらいでそうなるなんて、ギルドマスターはとても怖い人なのだろうか?


「ああ、分かってるよ!」

俺も相応の覚悟を決めて、ギルドに入った。


「ようこそ、冒険者ギルド オトナリ支部へ。何か御用ですか?」

中に入って早々、入り口の受付嬢が声をかけてきた。


「ケニー・ハントマンだ。ギルドマスターから手紙を受け取り、ここに来た。」

パラッ

受付嬢に手紙を渡した。


「分かりました。マスターのいる応接室までご案内しますねー。」


〜応接間〜


「初めまして。私はジェニー・セイバー。ここのギルドマスターだ!」


寝癖で爆発した髪をそのまま束ねた髪型、動きやすそうな軽装。ギルドマスターというよりは、女山賊のような出立ちだ。


「初めまして。ケニーです。」


「良い返事だ!ジェニファーが『冒険の書』を託しただけはあるな。」


「恥ずかしいからやめてよ…


聞いた時は驚いた。ギルドマスターとジェニファーが姉妹だったなんて!

通りで嫌がってた訳だ。


「お礼としてケニー、君を表彰したい。これを受け取ってくれ。」


ジェニーから、勲章のような物を受け取った。


「これは?」


「銀等級の冒険証さ。君はまだギルドに加入していないだろ?本来であれば、試験を受けたのちに鉛等級からスタートだけど、君の活躍はこれくらいの価値があると思ってね!」


「ありがとうございます!これからも色々なダンジョンを冒険させて頂きます!」


「君には期待しているよ!」


こうして俺の表彰は終わった。なんだ、少し荒っぽいけど、気さくでいい人じゃないか。身構えてたけど、その必要は無かったな!


ワーワー!


なんだ!外が騒がしいな。

俺たちは窓の方へ駆け寄った。


「ヒャッハー!おい、糞ギルド共。今日がてめえらの命日だぜ!」

ギルド前の広場にごろつきが10人ほど集結していた。何故か、全員がモーニングスターを装備している。それで建物を壊すつもりなのか!


「てめえらの時代は終わり!俺たち『カマセ・ドック』が文明開花するぜぇ!」

集団の中にひたすらイキッてる奴がいた。

こいつがリーダーだろう。




「シャァ!」

ヒュン!


ザクッ

刹那、リーダーの足元に大剣が突き刺さる。

「ひぃぃぃぃー」

それにビビったのか、『カマセ・ドック』の皆さんは退散した。


「あの野郎共…久々の妹との交流を邪魔しやがって…地獄の果てまで追いかけてやる!」


その顔はさっきまでの快活な面影は無く、

牙を向いた捕食者のようだった。


今分かった。この人怒ると…めちゃくちゃ!怖い!

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