日常の検索あれこれ④ 「占い師 本当」

「時間 止め方」


『時間を止める方法はありません。厳密に言うと、あなたが考えているように時間を止めた状態であなただけ動けるという状況を作ることはできません。』



「催眠術 やり方」


『一時的に人の思考を誘導することや、長期的な管理で他者の行動を制限することは可能ですが、あなたが考えているように異性を意のままに操るようなことはできません。』



「お隣さん 年齢」


『あなたの隣の家に住む主人の年齢は67歳です。』



「賞味期限切れ 食べてもいいか」


『あなたが今食べようか悩んでいるクッキーは賞味期限が10日過ぎていますが、食べても体調を悪くすることは無いでしょう。』



「占い師 本当」


『あなたが先程見たテレビ番組に出ていた占い師の能力は嘘です。彼女が言い当てた未来や過去、憑いている霊の話は全てテレビ局のスタッフが作り上げたものです。そもそもこの世界に未来を視るという類の占いは存在しません。』


 先程ゴールデンタイムのバラエティ番組で特集されていた占い師が凄かった。訪れたことが無い場所や初めて会う人を1度見ただけでその過去を詳しく話し出すし、心霊スポットや数カ月前に占った未来が当たるかどうかという企画もバリバリに視聴者を驚かせる内容だった。


 今まで見たそういう類のスピリチュアルな人間の中ではぶっちぎりで凄かった。


 占いに興味が無い僕が信じてしまいそうになるほど。幽霊はこの世にいたのだから見ることができる人がいてもおかしくない。


 けれど、蓋を開けてみれば結局それも作り上げられたもので……。


 未来を知れるだとか、その辺にいる幽霊が見えて会話できるなんて人は胡散臭い占い師なんて職業に就かない。普通に考えたらそうである。


 そんなチート能力があるならもっと有効活用できるはずだ――。


 そう。そんな能力がこの世にある訳ない。もしあるとしたら……。


『人が未来を知る術はこの世界で唯一、このパソコンだけです。』

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