科学の否定、教育の敗北
フラットアース
害悪度★★★☆☆
知名度★★★★★
トンデモ度★★★★★
関連:QAnon・地球平面協会
Flat Earth、つまり地球平面説のことだ。一見すると無害そうなこの陰謀論。今では新型コロナ陰謀論やディープステートと悪魔合体をしている様子がある。
フラットアースを信じる陰謀論者を正気に戻すことは難しい。社会や政治への懐疑の末に陰謀論者になり、最後に辿り着くのがフラットアースだからだ。
彼らが提唱する平面地球モデルは、北極を中心に周囲を氷の壁に囲まれたものだ。空は半球形のドームで、宇宙は存在しない。太陽や月は現在知られている大きさよりずっと小さく、地上から数十km〜数千kmあたりに浮かんでいる。月は自発光とするフラットアーサーもいる。
彼らの主張を支えるのは「この目で見たものしか信じない」という信念だ。水平線は平らに見えるし、月は反射光とは思えないほど光り輝いている。
フラットアーサーの世界では宇宙が存在しないため、NASAは人々を騙すために作られたウソの組織ということになる。球体地球の写真や宇宙の写真はすべてCGで、宇宙ステーション内部を映した映像はスタジオ撮影だ。
フラットアーサーは全てを疑う。進化論や新型コロナも否定している。現行の科学を間違いとし、100年以上前に否定されたエーテルは存在することになっている。とにかくすべてを疑う。
一つの事実や法則を否定するならば、その恩恵から生まれたものを全て手放すことを想像してほしい。宇宙が存在しなければGPSや天気予報は存在しない。地球が平らならば、月食、四季、極夜や白夜といった現象が説明できなくなる。月が自分で光っているなら、月の満ち欠けは起こらない。
フラットアーサーには、小中学校レベルの理科の知識すらろくに身に付いていない。しかし、そのことを自覚していない。知識が無いまま間違った前提の上に持論を積み上げ、とんでもない説が出来上がっている。「思いひて学ばざれば
フラットアースのような科学を全否定するタイプの陰謀論は、知識と想像力が防波堤になる。もし地球が平らなら世界はどんなふうになるのか。NASAが人々に地球が球体であることを錯覚させるためにある組織なら、どれほどの手間とコストをかけて全世界を騙していることになるのか、ぜひ考えてみてほしい。
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