[6.5話]矢島家の幕間

 ショッピングモールでの買い物を済ませ帰宅すると

ほぼ下着姿の妹がリビングでくつろいでいる。


 こんな姿こいつの同級生が見たら卒倒ものだろうが

妹の下着姿などこいつが豆粒くらいの時から見飽きてる。

それにしても我が妹は中学生であるが発育が大変残念なのである。

よく言えばスレンダー美少女なのだが。お兄ちゃんに似なくてこれ幸いだ。


「うんおかえりお兄ちゃん」

あぐらを掻きながらのお出迎えだ。

「おう」短めの返事をした。

「何買ったの?」

「なんか身につける系」てきとうに返した。

「そうか」

「コーヒー飲む?」有希が尋ねるきた。

「頼む」俺は座りながら返答した。


 すると立ち上がりキッチンの方へと向かう。このようにコーヒーをいれて

くれたり、家事などもうちではやるので以外にも甲斐甲斐しいの一面もあるのだ。


「はいどうぞ」俺の目の前にコーヒーカップを置いてくれた。

そして有希も座った。ちなみに俺は甘党なのでミルクと砂糖は必須なのだ。

「ありがとさん」

「お前なんで先にどっかいったの」

俺はショッピングモールでの件について質問をした。

「だってお兄ちゃんが女の人と出かけるなんて前代未聞じゃん」

「確かに」納得してしまった。


 俺は学校以外で女子と行動したことがないに等しい。あっても

親戚と出かけるくらいだが、家族なのでノーカウントだ。


「そりゃ多少気も遣うでしょう」少しふざけた感じで言ってきた。

「そんなことないことくらいわかるだろう。行事の時もグループ行動の時も

俺は直で家に帰宅してきたぞ」胸を張って妹に言ってやった。

「なんの自慢にもならないよお兄ちゃん」哀れみの表情を浮かべていた。

「お兄ちゃんに良い出会いがあるいいなと想うばかりだよ有希は」

案外俺のことを気にかけてくれるのか、妹よ。


「いいんだよ、割と気ままの今の方が気にいってるだよ」

割と今好きなことにかまけている今の生活が気にいってる。

「えぇ誰かに有希の代わりになって欲しいのです」

「なんで?」俺は疑問に思った。

「だって家でお兄ちゃんの話相手してあげるのもお世話するのも有希だよ」

 俺の話相手など数少ない。学校でも一人でいることがほとんどなので

必然的に有希にお鉢が回ってくるのだ。


 それに家事も俺もたまにはやるがほとんど有希がやってくれている。

そりゃ待遇も妹バイアスがあるといえ有希に軍配があがるというものだ。

「はぁ~養ってくれるレディはいないものかね」

「なに腐ったこといってるの」

「有希だってお嫁さんに行くかもしれないんだよ」

「!!」

なんということだ。


「それはまだ先だ、お兄ちゃん認めませんよ」

妹にはっきりと認めない宣言をした。

「何頑固お父さんみたいになってのん、キモい」ストレートに拒絶された。

「キモい言うな」

「これは当分妹離れは難しいそうだね」

ぐうの音もでない。

コーヒーも少し冷めてしまった。俺はコーヒーを飲み干し、

「お前は晩メシの用意でもしておけ、後服ちゃんと着ろよ」

「今言うこと」有希がぼやいた。

俺は自分の部屋に戻った。

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