第84話 寂しい

 ――数日後:曽呂勇士学園


ジルがいなくなった学園はジャキにとっては退屈な日々だった。

ベラは行方不明。

何が起きたのかわからない。

ただ始まるのは孤独との戦い。


学園は崩壊状態。


灰色になったあの日。


世界はすべてを変えた。


「ジャキくん」


丹歌がそういってジャキに近づく。


「なんだ?」


「アンタ後悔してない?」


丹歌のそばにいるプレゲトンがジャキに尋ねる。

すると別の方から声が聞こえる。


「後悔も後退もありません。

 私達の道に後ろはありません」


見慣れぬ黒髪の学生の方をジャキは見る。


「アンタは?」


「私の名前は、柊六曜ろくよう

 貴方のクラスメイト柊万桜の兄です。

 君のことはずっと監視させて貰っていました」


「そうか……」


「貴方の力。パンドラサポートで活かしませんか?」


そういった六曜の顔は眩しかった。

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