第75話 胸の穴

「よう、ジル」


 ジャキはケジメを付けるためジルと一緒によく遊んでいたゲームセンターに向かった。


「なにをしに来た?」


 ジルが女店員の背中の上に座っていた。

 そして、タバコの火を女店員の背中に当てる。

 女店員の身体が一瞬グラつく。


「やめてやれ」


 ジャキがそういって銃をジルに向ける。


「俺とやる気か?」


 ジルが、刀を召喚して立ち上がる。


「一応聞いておく。

 ベルはどうした?」


 するとジルが笑う。


「あぁ……ベルは今頃。

 他の男どもと寝てるだろうさ。

 面白いんだぜ?1000人の男と寝たら俺の嫁にしてやるといったら本気にしてよ」


「それでベルが男と寝る?ありえない」


「いや、拒否したからSNSで男集めて只今強姦中だ」


「最低だな」


 ジルとジャキが会話している隙に女店員が四つん這いで逃げる。


「おい、椅子!誰が離れていいといった?」


 女店員の身体が止まる。


「あ……あ……いや……許して……」


 女店員が目に涙を浮かべてそういった。


「……あ?なにお前が俺に命令しているんだ?

 お前はいつからそんなに偉くなった?」


 ジルが、そういって刀を持ち替える。

 刃を女店員に向ける。


「死にたくない死にたくない死にたくない」


 女店員がガクガクと震え……

 刃が女店員に当たる瞬間。

 その刃をジャキが銃で破壊した。


「おいおいおいおい。

 この刀、いくらすると思っているんだ?」


「知るかよ」


 ジャキの箒頭が震える。

 ジルが、新しい刀を召喚するとジャキ目掛けて投げた。

 ジャキは、その刀を素手で掴み地面に突き刺した。


「おうおう、やる気満々だ……あ……?」


 ジャキの銃弾は、ジルの胸に大きく穴を開けた。


「お前、いいやつだったときもあるんだぜ?」


 ジルは、その場に倒れた。


 そして、その丁度。

 セロが、ゲームセンターに現れた。


「ジャキくん?その技は……」


 セロの声が震える。

 なぜならこの穴あけの技は、セロの両親とオトネの両親を殺した技と同じだからだ。

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