抑止力と呼ばれた少女【7版 CoCシナリオ】
真偽ゆらり
背景設定
神隠しの黒幕はミ=ゴとグールとシャン。
ミ=ゴが対象を決定しシャンは取り憑いた人間を使ってサポートしながらグールが実行する。
目的は神の復活。
【原初の魔王『アザトース』について】
旧神との戦いの果てに視覚と知性を奪われ、盲目白痴の魔王となる。
旧神は魔王の視覚と知性を細かく分割し世界へとばら撒いた。
それは数多の生命に宿り、食物連鎖と命の輪廻によって更に細かく拡散されていく。
そうなる事で魔王が完全に視覚と知性を取り戻す可能性を零にするはずだった。
人類が誕生するまでは。
文明を持ち自然界の『食物連鎖と命の輪廻』から脱した人類に魔王の視覚と知性が収束し始める。
数千年の時をかけて少しずつ少しずつ……。
そして時は現代——欠片と呼べるまでに収束した魔王の視覚と知性を宿す子供達が生まれていた。
だが、『魔王の視覚と知性』は人類が持つ視覚と知性とは全くの別物である。
形無き神——原初の混沌の核とも称される存在の視覚と知性は人類の理解が及ぶモノではない。それ故に人類が正気を保ったまま知覚することは不可能だろう。
魔王の視覚と知性の収束は極めて緩やかなモノであり、完全に一つへと収束するより人類が滅び再び拡散する方が早い。その為、一度は完全収束を危惧した神々の関心は早々に失われていった。
【黒幕三者の出会い】
切っ掛けは偶然だった。
ミ=ゴと遭遇した子供がミ=ゴに気に入られるか軽蔑されるかしてしまい脳缶処理をする為に神隠しに遭う。その様子を見ていたグール。
グールはミ=ゴが処理した子供の屍肉を狙って跡をつけていく。気付かないミ=ゴ。
子供の脳缶処理が終わり残った肉体を処分しようと処置室の戸を開けたミ=ゴはグールと目が合う。
犬に似た外見のグールを見て固まるミ=ゴ。
ミ=ゴは犬が苦手だった。
ミ=ゴが後退ると後退った分だけグールが前身し処置室へと入ってきてしまう。
ミ=ゴは途方に暮れる……が、グールの視線の先にあるモノがミ=ゴ自身ではなく処分しようとしていた脳の入れ物(屍肉)だと気付いた。
そ〜っと脳の無い子供の肉体を差し出すミ=ゴ。
嬉々としてグールは食べ始める。
ミ=ゴはグールに懐かれてしまった。
脳缶にされてしまっても本人の意識はまだ脳缶の中で生きており、脳を元の肉体に戻せば生き返る事もできる。
だが、その帰るべき肉体が不気味な化け物に食べられていく。
不幸にも視覚・音声情報を得られる状態の脳缶に処理された子供は自分の身体が食べられていく光景を鮮明に目撃してしまった。
それは人が耐えられる光景ではない。
子供が見て正気を保つのは不可能だろう。
脳と一緒に取り出された目玉に目蓋などあるはずもなく、目を背ける事すら叶わない。
そうして精神が崩壊していく様にシャッガイからの昆虫は愉悦のあまり飛び出してしまう。
そう……この不幸な子供はシャンに取り憑かれていたのだ。
こうして地球外からの来訪者達と化け物は邂逅を果たした。
そして、ミ=ゴは苦手な
【神々の想定外】
精神が崩壊し正気を失った子供の脳から人間には知覚不能なナニカが溢れ出る。
人間には知覚不能でも人外の存在には知覚可能なモノだった。
溢れ出たのは『魔王の視覚と知性』の欠片。
それが魔王を信仰する存在に見つかってしまったのが一つ目の想定外。
魔王を信仰する存在、シャンとミ=ゴは魔王の種子を扱う技術を有している。その為、『魔王の視覚と知性』の欠片にも干渉が僅かながら可能だった。
そしてもう一つの想定外は、人類に宿った『魔王の視覚と知性』は個々人の余剰魔力や生命力により増幅されていた事だ。それ故に魔王が視覚と知性を取り戻すのに拡散した全ての『魔王の視覚と知性』を集める必要がなくなってしまった。
その二つの想定外が重なった事で『魔王の視覚と知性』の収束は加速していく事となる。
だが『魔王の視覚と知性』の欠片は長らく人類に宿っていたせいか人類に宿った状態でなければ融合しない性質となっていた。
欠片を集めただけでは『魔王の視覚と知性』には成り得ない。魔王復活には欠片を融合させる必要がある事がミ=ゴの研究により判明する。
一度取り出した欠片を元の人体(脳だけだが)に戻す事はできない。欠片は宿主の正気度が完全消失すると身体から溢れ出てしまう為、戻そうにも戻す事ができなかった。また、正気を保っていた子供に欠片を注入すると許容量を超えるのか注入した瞬間に発狂して『魔王の視覚と知性』は放出される。
欠片を人体から取り出す方法も正気度喪失以外の方法は見つかっていない……いや、シャンが愉悦を得る事もできたので研究されなかった。
【器の少女】
地震は膨大なエネルギーの発露である。
古より地震の多い日本は、地震によって溢れ出る星のエネルギーに満ち溢れている。
星のエネルギーもまた人類には知覚不能なモノであり、旧神とは異なる新しき神々の源であった。
それ故に日本では八百万の神とされる程に雑多な神が存在する。その一柱一柱には西洋などで信仰を集める神や旧神に及ぶ力は無いが、力を束ねたならその限りではない。
器の少女とは八百万の神々が
八百万の祝福を受けて産まれし人の子である為、その身に『魔王の視覚と知性』が宿っていない。
産まれながらには何一つ力は無いが、日々の中で
また、器の少女は力の暴走を防ぐ為に『狂気に落ちない』特性を持ち正気度を喪失しない。
その器は八百万の力を束ねる器と成り得るが完全なる『魔王の視覚と知性』を宿す器にも成り得る。
器の少女は神隠し事件の被害者の一人。
その身に宿す力と特性により、神隠し以外の被害を受けつけていない。
【魔王復活の成否には興味が無い無貌の神】
嗚呼、愚かで愛おしい父上に復活の兆しが?
どうしたものでしょう……。
復活が成功すれば在りし日の父上を再び目にする事ができて喜ばしい。失敗しても父上は愚かなままで喜ばしいですね。
嗚呼……愚かで愛おしい父上様、あなた様は復活の兆しを感じておられるのでしょうか。
もし……そうなのであれば、復活の兆しを全力で踏みにじって差し上げたい!
まぁ、アレにそんな事が分かるだけの知性があるはずも無いのでしませんが。
嗚呼……このままでは何事もなく愚かで愛おしい父上様が
父上様の復活がこのまま支障無く進んで良いモノでしょうか、いや良くない。面白味も無い。
とりあえず神隠し事件が起きていると通報か調査依頼でもしておきましょう。
嗚呼、『あなた』……見てますね?
画面越しの『あなた』ですよ。
後で、私の化身を何人か紹介しましょう。
勘の悪い人の誘導やしつこい人の対応用に。
私達は直接手を出す気はありません。
父上様のご要望ではありませんので。
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