20210415-2

雨の中で

古びたビルがごうごうと燃えていた

あそこは人気が常になかった

煙立つ道路の一角


お前だったらその炎を

「魂さえ焼き尽くす炎」

「その赤は人間の中の恐れを映す」

「命という命がその炎に凝縮され……」

などと汚すのだろう


炎は炎でしかない

炎だ!

そしてそこには人気は無かったのだ!


いいかげん目を覚ませ

そこに都合よく安い詩をでっちあげるな

人を勝手に焼くな


詩の前に

炎と燃えゆく廃墟と雨と

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