21_語り|二度目の別れが来る前に

泣き濡れた頬に、悲しみの跡だけが残る。


これから君の居ない時間が降り積もって、

記憶をくすませ、あの日々を鮮やかに思い出せなくなっていく。

心はすさみ、他者を傷つけ、それでもしたってくれる誰かが、

よかれと思ってこの身を生かすのだろう。


――君の記憶を抱いたまま世界を閉ざしたい。

たとえ君は望まなくとも、それで共に在れるなら。




===

2020.01.24 作/2023.09.29 改

最愛の人を失って悲しみに暮れる誰か。


頬を「ほほ」と読むか「ほお」と読むかはお好みで。


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