第37話モモ子の反乱

37,モモ子の反乱


モモ子がいじけて反乱を起こすようになった。


私の気持ちがニャオちゃんの方に向いているのに気が付いたのだろう。


居間にあるゴミ入れからごみを引っ張りだしてゴミ袋ごとちぎって


散乱させたり、テーブルの上に置いてある袋に入ったものを


下へ落として食べてしまったり・・・した。


私は怒らなかった。


モモ子の気持ちを知っているからである。


妬きもちがそうさせているのだと思っていたから、黙って片づけた。


そうするとモモ子の行動はますますエスカレートしていった。


今度は台所の調理台の上に置いてある魚の骨を袋ごと食べてしまった。


私は飲食店を経営しているので小魚の中骨や、マグロの皮の所を捨てないで


軽くあぶってモモ子やニャオちゃんの為に持って帰ってきていた。


それを小分けしておやつに食べさせていたのだが


その何日か分の骨を全部食べてしまったという事だ。


どう、今度は怒る?と私を試すかのようにモモ子が私の後ろで待っていた。


モモ子の期待どおりに叱ろうかと思ったがやめた。


ところがまた、似たような事が起きた。


私が食べている干しプルーンを約一袋いっぺんに食べてしまった。


私が朝食の時にヨーグルトと一緒に食べる時、ほんの少し味見させているので


味は知っているのである。


これはきっと叱られたくてわざとやっているのではなく


叱られないので調子に乗ってきているのだと判断した。


この時、私はモモ子ではなくプルーンの袋を叩いて怒って見せた。


いつの間にかモモ子は階段の方に避難していたが


しっかりとこっちの様子を窺っている。


この叱り方は効き目があるはずだ。


ところがこの後に困ったことがおきた。


モモ子のお腹がピーピーになったのである。


プルーンは便秘に聞くと言われている。


その効能は犬にも効いたようである。


この日から三日間モモ子の下痢は続いた。


お蔭で私はいつものウンチ入れのビニール袋の他に


ティッシュペーパーやら新聞紙、ぼろ布を持って歩くことになった。


丁度暑くて食欲も落ちて来たところなので餌も半分にした。


魚の骨の入った袋は冷蔵庫に入れるようにしたし、


テーブルの上の食べられるものは棚の上に置いてモモ子の手が届かないようにした。


すると考えられない事が起きた。





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