第31話先輩猫と後輩猫の攻防
31,先輩猫と交配猫の攻防
一週間たった頃、リハビリを兼ねて少し外へ出してみることにした。
抱っこをして外へ出ると黒っぽい猫が待っていた。
私がニャンコを抱いているのに気が付くと一瞬、躊躇して足を止めたが
ソロリ、ソロりと近づいてくる。
今度は腕の中のニャンコがフ~!フ~!と威嚇し始めた。
構わず黒っぽい猫が私に近づいて来たため
焼きもちを妬いたのか歯をむき出して怒りだした。
しまいにはわたしの腕から飛び出していこうとしたので
私は術後のニャンコが外へ出ることが心配で放すまいとした。
その私の手を噛んでまで追いかけようとしている。
とてもお嬢様とは思えない狂暴な猫に化している。
慌てて家の中に入れるがこの二匹、どうも相性が良くないようである。
雄と雌なので喧嘩はしないと思うが何か気にくわない事があるのだろう。
私にはうかがい知れない事である。
人間でも好みというものは他人がどうこう出来るものではないから・・・
それから数日たった暖かい日を選んでニャンコを外に出してみるが
帰って来るかどうか心配になってくる。
手術の後は感覚が鈍って事故にあったり家の方角がわからなくなる
と聞いたことがある。
手術の日、たった一日一緒に寝なかっただけでも寂しい思いをしているのに…
いなくなったらなんて考えただけで心が落ち着かない。
すっかり情が移っている自分を発見した。
でも、ニャンコのためには外に出してやるべきだとおもう。
ということで一日に一回は外へ出すことにした。
というよりモモ子の散歩のときに一緒になって出ようとするので
出してやると二mぐらい後ろをついてくる。
モモ子が空き地で立ち止まってお気に入りの草を食べたりしていると
追い付いて来て一緒に食べたりツツツーと小走りに駆け出して
早くおいでよと挑発したりしている。
結局、線路を渡る時や大通りを渡る時などは抱っこしていくことになる。
抱きあげるとされるままおとなしくなっているニャンコなので世話はないが
重くて疲れる。
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