第91話 railway

サンライズエクスプレスと、並んでゆくのは

新幹線、スーパーエクスプレス。

滑らかな流線型の先端で、地平を舐めるように。



スパークノイズも少なく、ひゅう、と加速していく。



品川の電車車庫、さっきまでこの編成が居たはずの

線路が幾重にも連なる、夜見ると

工業的な美術モニュメントのような、その

光るレールは、幾何学的な美しさを以て

旅情を誘う。





走る、サンライズエクスプレスの車内では

等速運動のモデルのように、心地好い移動感が続く。





それは、ニュートン力学の示すF=maの通りである。



新幹線程度の速度でも、時計が遅れるのは

よく知られた現象で



例えば、GPS衛星航法でも

時計を較正するのは、技術者には常識であったりもする。





ロビーコーナーで、神様たちは

楽しく旅を満喫している。




ノンアルコールビールでも、なぜか酔えるのだろうか(笑)




となりのシャワーコーナーから出てくる

若い女の子の

愛らしい姿に、アメリカの神様は、口笛、

にこにこ(笑)。




フランスの女神は、まあ、はしたない、とは

言いながら(笑)



「男ってそんなものね。でも、そういう楽しみがあると

侵略したりしないからいいけど」と、真理。




ドイツの神様も、うんうん、と頷き


「まあ、行動力のはけ口はなんでもいいのさ。ヒトラーが、もしモテ男だったら

あんな事しなかっただろうしね」

と、笑う。




確かに、そういえば

侵略をしたり、君臨したがる人達は

あまりモテそうな人達はいない(笑)。



ムソリーニもそうだったし。



日本の軍部もそうだった。





言ってみれば、愛のない連中である。



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