第9話 God Save The Queen
God Save The Queen
神様たちは、神様なりに。
地上のめぐたちは、めぐたちなりに。
それぞれ、精一杯に、幸せを願っている。
神様は、みんなの祈りを聞いて。
どうしたらいいのかな、と
いろいろと考える、のだ。
地上のめぐたちは、お風呂あがりで
いい気分。
「でも、よく考えるとさ。
上り2列車で帰れば良かったんだね」と
リサは冷静。
そういえば、そうだ(笑)。
リサの悩みも解消したから、整備した2列車
に
乗って帰れば、本当は良かった(笑)。
「でも、せっかく来たんだし」と
めぐも、楽しそう。
リサ自身の悩みは、解決したと言うよりは
しっかりと、心に決めてがんばろうと
そう思っただけ。
その、対決する相手になる外国の人達の
気持ちを、宥めて
この国の幸せを考えるようにしてほしい、と
そう願っているのが、天国の神様で
アメリカの神様とか、に
お話して、神様国際会議(笑)で
なんとかしようと、天国の神様は思ってるから
幸せになろう、って気持ちは一緒、みたい(笑)。
Petit Valse
地上のめぐたちと、ミシェル。
「んだな、乗務員宿泊所だな」と、おじさんが
言うので
線路沿いを、駅と反対の方へ行く。
もう深夜なのに、明かりのついている
プチホテル、みたいな建物は白く。
綺麗な宿泊所。と
めぐは思った。
でも、upperfieldの宿泊所よりは
小振りで、落ち着いてるな、なんて
思い直す(笑)。
それは、都会とは全然違うけど
でも、最果ての地に相応しい趣があって。
そんな風に思うに似つかわしい
乗務員宿泊所は、夜遅いから
そろそろ、終列車を降りた乗務員が
眠りに戻ってくる頃。
静かに、静かに。
がらんとした玄関は、広くて
なんとなく、学校を思い出して。
めぐは「学校みたい」
れーみぃも「あーあ、思い出しちゃった。」
「宿題でも忘れたの(笑)」と、naomi。
「そういえば、わたしも授業サボってきたんだった」リサ。
「国鉄職員はもう、いいでしょ」と、れーみぃもにこにこ。
そんなふうに、少しだけ現実を思い出して
ちょこっとブルー(笑)な、JK4人。
でも、今は旅を楽しもう、なんて
ちょこっと現実逃避。
おんなじ旅でも、天上の神様も
やっぱりちょっとブルー(笑)。
「飛行機で、日本まで。それで。」
長い道のりを考えると、ちょっとうんざり。
「そうじゃ。」神様は思う。
めぐたちのように、寝台車で
大陸を渡って行こうかの?
なんて(笑)。
意外に気楽な神様である。
Youth Of Memories
地上のめぐたちは、それでも
楽しそう。
その実、友人リサを心配した
思いやりの旅なのに。
そんなことを、リサが気にしないようにと
それも、思いやりで
楽しい、秋の旅行、そんなつもりで
振る舞っているうちに
本当に楽しくなってしまう。
みんなと一緒で、遊んでるんだもの。
それだけで、楽しい。
そんなものかもしれない。
学校の玄関みたいな、乗務員宿泊所は
なんとなく、懐かしいけど
学校が建った頃に作られたような、そんな感じ。
下駄箱と、簀の子の玄関
大きなガラスの窓は、枠が鉄で
白いパテで留められていて。
いまなら、さしずめアルミサッシなんだろうけれど
その重厚さが、時代もの。
今となっては、懐かしい。
ミシェルもおじさんも、もちろん一緒に
来る。
おじいちゃんは、この駅の駅長さんだったから
おじさんは、名士の跡取り。
どんなにか、気苦労もあっただろうけれど
そんな事を、気にもしないのか
それとも、無関心なのか。
おじさんは、のんびりとしているように見える。
「こんばん」と、おじさんはにっこりと
玄関から、入口にある管理人さんにご挨拶。
管理人さんは、どことなく
おじさんに似ている感じの、朴訥なお人。
田舎っていいなぁ、なんて
都会の人達は、こんな時に思うのだろう(笑)。
田舎の人達には、ただの日常である(笑)。
NationRail
玄関を入ると、右手に大きな食堂を見て
まっすぐが、広い廊下。
廊下を挟んで、反対側はまた、温泉(笑)
お湯が豊かな土地らしい。
1階は、会議室とか
卓球場とか。
そのあたりはホテルとちょっと違って
鉄道会社の宿泊所らしい。
「じゃ、寝るだな」とおじさんも、のんびり。
エレベーターなんてないのは
古い建物らしい。
めぐたちは、上の階。
もともと、女子社員は泊まり勤務がないので
当然だが、小部屋である。
男は、2階の大部屋が居並ぶあたりで
雑魚寝である。
でも、特急乗務員たちの寝泊まりする
ここは、国鉄でも特別な待遇であって
普通列車の乗務員たちは、ローカル線の
線路沿いにある国鉄OBの提供する民家で寝たりとか
貨物列車の乗務員に至っては、民家もない
貨物駅の外れにある小屋で
深夜から早朝までの数時間、石炭ストーブを
焼べながら仮眠、とか
それでも、国鉄を支える人達には
使命感がある。
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