ご飯
【孤独を癒すラーメン】
それは全く突然のことだった。
ルナがいなくなってしまった。
にぎやかで明るくなっていた部屋、それが元通りの空虚な空間に戻っていた。
――『大事なものは失ってはじめてわかる』
まるで白昼夢でも見ていたようだった。
よく聞く話だが、まったくもってその通りだった。
「まだ諦めが付くタイミングだっただけ……マシなんだろうなぁ」
「それに一人の気楽さには慣れてるし」
「やっばり他人と生活するのは向いてないのかな」
気づくと誰にともなく
すっかり日も暮れ、電気をつけ忘れた部屋は薄暗い。
ふと、お腹が小さく鳴った。
そういえば昼ご飯も食べていなかった。
「こんな時でもお腹だけは空くんだよな」
こんな時はラーメンがいいかな。
うん。久しぶりにラーメンを食べよう。
「久しぶりにあの店にいってみるかな? いや、自分で作ろうか?」
まぁ時間だけは持て余しているわけだし。
とりあえず財布をもって靴をひっかける。
扉を開けると空一杯にオレンジ色が揺らめいていた。
もうすぐ晩御飯の時間なのだ。
「……ルナのやつ、お腹空かせてないといいな」
僕は家を出て、久しぶりに昔の隠れ家へと向かった――。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます