Middle07―蛮族の首領との戦い

 蛮族のねぐらに入って二度目の戦闘を終えた冒険者達。

 しかし、蛮族を統率するリーダー格は未だ見つかっておらず、探索を続けていくこととなる。


GM:では、入って右側の部屋は探索し終えたので、左側の部屋に行ってみましょう。ちなみに、こちらにも扉があります。

エルゼン:わかったよ。探索判定すればいいんでしょ。

ベルク:我々に君を信じさせてくれ。


【判定結果】

エルゼンが探索判定を行い、出目5で達成値8。


エルゼン:誰が信じていいと言った。

ベルク:「何かあったっすか。」駄目だこりゃ。

タービン:「さすがにもう魔法の類は無さそうだと信じたいけどね。」

GM:大丈夫。何も無さそうだ。

エルゼン:じゃあ、開けちゃうか。がっちゃ。

GM:本当に何の仕掛けもなかったよ。やったね。部屋の中は少し変わったものがあありまして、フッドが扱うにしては大きめな武器が置いてあります。また、区切られた個室には怪しげな何かが置いてある。

エルゼン:怪しい。

GM:具体的に言えば実験道具だね。試験管のようなものに緑色の液体が入っている。

タービン:これは薬品学判定で調べられたりしませんか。

GM:もちろんできます。


【判定結果】

タービンが薬品学判定を行い、出目6で達成値12。


GM:12なら問題ないね。これはなぜか魔力を感じる薬品です。人体への悪影響は無く、飲んでも副作用とかもないことが分かる。

タービン:「害はなさそうだよ、これ。」

ドジソン:「えっ、でも……飲むのかい、それ。」

テオドール:「得体の知れないものを飲むのはさすがに賛同できないぞ。」

タービン:「そしたらこれ持って帰ろうかな。ピアさんなら分かるかもしれないし。」

エルゼン:「好きにしたらいいと思うわ。」

ドジソン:ちょっとだけ舐めてもいいですか。いや、でも……うーん。舐めます。

GM:ペロッ。

エルゼン:これは、青酸カリ!?

GM:害はないって言ったでしょ。ちなみに、舐めたドジソンはMPが1点だけ回復しました。

ドジソン:うーん、MPが回復したって微妙にロールプレイがしづらい。

テオドール:すっきりした味とか。

ドジソン:じゃあ、そんな感じの味だったよと伝えます。

タービン:「じゃあ、後で運転しながら飲もうかな。」

GM:酒じゃないぞ。

タービン:「やだな、ボクは未成年だからお酒は飲まないよ。」

GM:GMと会話しないでいただけますか(笑)。

PL一同:(笑)

ドジソン:やっぱりGMが喋る用にイソップを出しておかないと。

GM:そういう問題じゃないんだよな。


GM:では、部屋を調べ終えた辺りで隣の部屋から賑やかな声が聞こえてきます。聞き取れるかどうか聞き耳判定を行ってください。


【判定結果】

エルゼンが出目8で達成値11。

テオドールが出目7で達成値10。

(その他、平目につき省略。)


GM:うん、問題なく聞こえるね。汎用蛮族語ですが。

テオドール:「汎用蛮族語だから、間違いなく敵だろうが……どうする?」

タービン:「ボク、汎用蛮族語分かるからこっそり聞いてくるよ。」とドアに近づいていきます。

GM:賑やかな声なんて、ドアの前まで行ったら普通に聞こえるね。食事をしながら会話をしているようです。

蛮族A(GM):「ワタシが作っていた薬がようやく完成しそうなんだ。」

蛮族B(GM):「ハハァ、力ぐらいしか興味のないオレにはさっぱりダナ。オマエは頭がいいナァ。」

GM:以上のような会話が聞こえてきます。また、物音の数から察するに、明らかに2体以上の蛮族が部屋には居るようですね。

タービン:「どうやら沢山の蛮族がいるみたいだよ。会話してるのは薬を作ったという蛮族と力自慢の蛮族だね。」と会話の内容も伝えます。

テオドール:「その力自慢の蛮族は蛮族らしい蛮族だが……もう片方は珍しい研究者だろうか。」

ベルク:「なんなんすかね。その頭の良いほうは。」

テオドール:「ともかく、その得体の知れない研究をこれ以上進めさせるわけにはいかないな。」

シア:「そうだね。」

ドジソン:「て、提案なんだけど……頭がいいなら話し合いで解決できたりしないかな。」

テオドール:「頭が良いなら騙すのにも長けていると思うぞ。」

タービン:「それに、力自慢の蛮族のほうは交渉できないと思うな。話してる間に殴られちゃうよ。力任せにやられると困るんだけどボク。」

エルゼン:「そもそも、こいつらを倒さないと試験に合格できないのよ。」

ドジソン:「そ、そうだったね。ごめん。」

シア:「それに、ピアさんの列車を走らせてあげたいじゃない。」

テオドール:「確かに出来るだけ戦闘を避けたいと考えるのは間違いではない。だが、我々が此処に来た理由を履き違えないように気を付けるべきだ。」

ドジソン:「ご、ごめんよ。」

GM:ランプがガタガタ揺れるよ。

ドジソン:君の出番は最後のフェイズだ。

GM:なんだ、最後のフェイズって。

タービン:神の声と会話したタービンを怒れないね。

GM:メタ発言が多すぎるから控えるように(笑)。

ドジソン:す、すみません(笑)。


エルゼン:「とりあえず、中にいる蛮族は倒すでいいのね。」獣変貌を使います。

テオドール:「ああ。こちらから奇襲を掛けたほうがいいだろう。」

タービン:「打って出たほうが良さそうだね。」

GM:では、扉から中に入ると、蛮族達は汎用蛮族語で「だ、誰だお前らは。」と言って慌てて武器を取ります。数は計五体です。

ドジソン:お、多いなぁ……

GM:ボス戦だからね。

タービン:「誰だお前らは、だって。」

エルゼン:「わんわん!」

タービン:「リカント語が分からないから訳せないよ。」

テオドール:「わざわざ敵と話す必要はないだろう。やることは変わらないのだからな。」

シア:「そうね。やるべきことをやりましょ。」


【戦闘準備】

シールドフッドが《かばうⅠ》をボルグに使用。


GM:では魔物知識判定だ。四種類いるけど、そのうち二種類は見たことのあるサーベルフッドとシールドフッドだね。

タービン:よし、判定いくよ。


【魔物知識判定】

・タービン

①出目9、達成値15

②出目6、達成値12

③出目9、達成値15

④出目8、達成値14

(その他、平目につき省略。)


タービン:全部弱点抜けたみたいでよかった。

GM:素晴らしいね。三番目はボルグ、四番目はフーグルマンサーとなります。ちなみにフーグルマンサーの知能は低いじゃなくて人間並みに変えています。

タービン:なにぃ。

ドジソン:魔法を使ってくるね。

GM:知能が低いのに魔法を使うのはどうかと思って。

テオドール:魔法を使うリルドラケンの前で同じこと言えるんですか。

GM:別にリルドラケンの悪口を言ったわけでは(笑)。

テオドール:魔法を使うソレイユとかいるかもしれないじゃん。実際いたし。

ドジソン:魔法を使うソレイユはちょっと熱い。

タービン:熱いなぁ。


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※ソレイユ

 「ソードワールド2.0アイテム&データブック ルミエルレガシィ」にて登場した種族のこと。

 太陽神ティダンの眷属と考えられているこの種族は極めて均整の取れた肉体美を誇る美男美女ばかりで、筋力と生命力が人族の中でトップクラスに高い上に器用度も敏捷度も高水準という前衛向きのステータスをしている。

 ただし、知力と精神はワーストで、知力に至っては一つしかダイスが触れない上にほとんどの生まれで最大値を出しても一桁という体たらくである。この種族で魔法使いをするのはかなりの苦行と言えるだろう。

 ちなみに、6月18日発売予定の「ソード・ワールド2.5サプリメント アウトロープロファイルブック」では、ついにソードワールド2.5でもソレイユが使用できるようになるようだ。

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GM:つ、使えないわけじゃないからね。

ベルク:相当な変わり者であることは間違いないよ。

エルゼン:知力ボーナス1のキャラクターで神官(プリースト)をやったんだぞ。

GM:その話はともかくとして、先制判定だ。


【先制判定】

目標値:11

・エルゼン

出目9、達成値13で成功。

(その他、平目につき省略。)


エルゼン:よし、抜いた。

ベルク:これで安心できる。

タービン:じゃあ、まずは後衛陣から動いていこうか。


【1ラウンド目先攻(冒険者陣営)①】

タービンとドジソンとシアが同座標に配置。そこから他PCの三名は前方に4m離れた座標に配置。

三名から5m前方にシールドフッドとサーベルフッド二体とボルグが配置され、フーグルマンサーはさらに前方5m座標に配置。


タービンがシールドフッドに対して真語魔法『エネルギーボルト』を行使。

シールドフッドの精神抵抗力判定は固定値を使用し、魔法行使判定の目標値は12。

タービンの魔法行使判定が出目6で達成値13となり、抵抗失敗。

ダメージは出目4で8点純エネルギー属性の魔法ダメージとなる。更に弱点の魔法ダメージ+2で合計10点。


ドジソンが《魔法拡大/数》を宣言して妖精魔法『ファイアボルト』をシールドフッド、サーベルフッド二体、ボルグに行使。

シールドフッドとサーベルフッドの精神抵抗力判定は固定値を使用し、魔法行使判定の目標値はそれぞれ12、11。

ドジソンの魔法行使判定が出目7で達成値12となるが、ここでベルクが声援を使用して達成値13となり、シールドフッドとサーベルフッドは抵抗失敗。

ボルグの精神抵抗力判定は出目4で達成値8となり、こちらも抵抗失敗となる。


・シールドフッド

出目7で8点の炎属性の魔法ダメージ。更に弱点の魔法ダメージ+2で合計10点。

・サーベルフッドA

出目10で振り足しが行われ、更に出目5が出て12点の炎属性の魔法ダメージ。更に弱点の魔法ダメージ+2で合計14点。

・サーベルフッドB

出目9で10点の炎属性の魔法ダメージ。更に弱点の魔法ダメージ+2で合計12点。

・ボルグ

出目6で8点の炎属性の魔法ダメージ。


シールドフッドとサーベルフッドAはHPが0以下となり、気絶する。


ドジソン:おっ、回った。

シア:シールドフッドどころか、サーベルフッドも一体一発で消し飛んだね。

ドジソン:「あとは任せたよ。」

ベルク:「やっぱり魔法ってすごいっす。」

ドジソン:「べ、ベルクさんのおかげだよ。」

ベルク:よし、エルゼンにボルグを任せてサーベルフッドにトドメを刺しにいくかな。

GM:先にボルグを狙ってたら、俺を倒してからにしてもらおうかとか言ってたよ。

ベルク:大丈夫っす。ちゃんと殺してあげるっすよ。

GM:殺意高いな君。

テオドール:やっぱりメイドじゃなくて殺し屋として雇われてた?

タービン:もしくはメイドの掃除にそういうのが含まれていたとか。

ベルク:そんなわけないじゃないっすか。

シア:最近のメイドって怖いんだね。

GM:偏見である。


【1ラウンド目先攻(冒険者陣営)②】

ベルクがフッドとボルグが存在する位置まで通常移動。エストックでサーベルフッドBに攻撃を行う。

サーベルフッドBの回避力判定は固定値を使用し、回避力判定の目標値は9。

ベルクの命中力判定が出目6で達成値11となり、回避失敗。

ダメージは出目11で振り足しが行われ、さらに出目3で16点の物理ダメージ。サーベルフッドBの防護点は2点なので、計14点のダメージとなる。


エルゼンがフッドとボルグが存在する位置まで通常移動。ボルグに両手利きで2回攻撃を行う。

エルゼンの命中力判定が出目8と7で達成値12と11。

ボルグの回避力判定は出目10と12で達成値14と16となり、どちらも回避成功。


テオドールがフッドとボルグが存在する位置まで通常移動。ショートソードでボルグに攻撃を行う。

テオドールの命中力判定が出目12で自動成功。

ボルグの回避力判定は出目8で回避失敗。

ダメージは出目8で9点の物理ダメージ。ボルグの防護点が3点、弱点の物理ダメージ+2が入って計8点ダメージとなる。


GM:明暗が分かれたな。オーバーキルに6ゾロ。

エルゼン:回避の出目が良かったからどうしようもないよ。

タービン:ダイスの出目があらぶってるなぁ。


(その後、ベルクがボルグから痛恨撃込みの攻撃を喰らって気絶するも、それ以外は難なく殲滅することができた。)


シア:アウェイクン入れてベルクを起こすね。

ベルク:起き上がりに咄嗟に剣取って薙ぎ払うわ。ブォン。

タービン:もう戦闘終わってるよ(笑)

GM:ほんと、殺意の高いメイドだなぁ。

テオドール:「さすがにフッドなどとは訳が違う蛮族だ、攻撃が激しかったな。みんな大丈夫か。」

シア:「大丈夫?」

タービン:「特にベルクさんが凄いことになってたけど。」

ベルク:「生きてるから問題ないっす。」

エルゼン:「でも、これで全部探索し終えたみたいね。」

ドジソン:「ということは、これでテストはクリアなのかな。」

シア:「何言ってるの、帰るまでが試験だよ。」

テオドール:「その通りだな。まだこちらが踏んでいない罠も道中にあるかもしれないから、帰り道も気を付けるように。」

ベルク:「外に巡回に出たままの蛮族もいるかもしれないっすからね。」

ドジソン:「じゃ、じゃあ早く帰ろう。」

ベルク:「慌てちゃ駄目っすよ。」

GM:では、冒険者達は蛮族のねぐらからマグノア草原国の村に帰還するよ。


(依頼を無事に達成して、後はキングスフォールに帰還するだけとなった冒険者達。だが、これですんなりとは終わらず、更にひと悶着あるようで……?)

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