猿来たりなば
☆STEP 1
ここのところ、なかなか「これ」というタイトルが選べておりませんでした。
選出にあたって、いくつかポイントがあります。「題名そのものが印象的」、「作品を筆者が読んでいて内容もオススメできる」、「翻訳が比較的容易に入手できる(できれば文庫で)」、「訳したときに正解が出ずに新しい学びがありそう」など。
今回は「なんでこれを忘れていたんだろう」という作品。
では、英訳作業にまいりましょう。
わかるのは「猿」、【monkey】と、「来る」、【come】の二つ。
問題は「来たりなば」の部分。ちょっと独特の表現です。おそらく「春来たりなば冬遠からず(じ?)」という表現が前提にあるのでしょう。ん、逆か。春が来た時点で一番遠いのは冬ですものね。「冬来たりなば春遠からず」か。
内容的には春よりも「猿」がポイント。というか、春の要素がちょっと思い出せない。
うーん、タイムアップです。
☆STEP 2
と、いうわけで……
“If Monkey Comes……”
……で、どうでしょうか?
☆STEP 3
正解は……
“Don't Monkey with Murder”
……でした。
んーん。んーん。【don't】の後だから名詞なはずでは? 「~するな」では? 【monkey】って動詞の意味があるのか? もしあるならば、これは自分英語史上最大の発見です。なにより、この企画をやった意味がある。
英和をひきます。
あった! 「遊びまわる、ふざける」「[…を]いじくる」「ばかにする、まねをする」とあります。
なんでしょう、あまりに猿を低く見ていて、ちょっと同情したいところです。
原題を私なりに訳すと「ヤベェやつと遊ぶなかれ」となりました。
☆おまけ
フェラーズは『私が見たと蠅は言う』を取り上げようと決めていたのですが、試しに『猿来たりなば』を訳してみたら、ビックリすることが出てきたので、こちらにしました。
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