九マイルは遠すぎる
☆STEP 1
できるならば、この企画をきっかけに作品を手にとってもらいたいという気持ちがあります。読んでもらうならば、読みやすい短編がいいので、短編を取り上げたいがまだなにか大事なやつを忘れていないか、というタイミングで「これがあったじゃないか」と膝を叩いたのが、これ。
あらすじはシンプルにしてユニーク。
「九マイルもの道を歩くのは容易じゃない、ましてや雨の中となるとなおさらだ」という短い文章から論理的に推理を展開するというもの。
英訳作業に入りましょう。まず「マイル」ですが、これは距離の単位。単位は国ごとに異なるので厄介です。スペルがわかりませんが、【mile】としておきましょう。「九」なので複数形の【s】も忘れずに。
問題は「遠すぎる」。これは「遠い」と「程度が著しい」みたいな単語(副詞?)との合わせ技でしょう、おそらく。
遠いとは、距離が長いということなので【long】を使いたいところですが、「遠い」という単語があるはず。「~から遠い」に【far fromなんちゃら】という表現があったような気がして、少し考えてこうしました。
☆STEP 2
“Nine Miles is too Long”
正解には遠すぎるでしょうか?
☆STEP 3
正解は……
The Nine Miles Walk
でした。
ほう、確かにそうだ。タイトルは「九マイルは遠すぎる」ですが、作中に出てくる問題文は「九マイルもの道を歩くのは容易じゃない。まして雨の中をとなるとなおさらだ」なので、「歩く」【walk】が出てくるのは唐突でもなんでもないのです。
ただ、「walkという単語を導き出すのは容易じゃない。まして内容を知らないとなるとなおさらだ」なのかもしれません。
ちなみに「遠い」を辞書でひくと、【far】【distant】【remote】なんて出てきました。リモートなんて言葉はこの一年ですっかりおなじみになりましたね。
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