カーテンの賛歌
ドアの隙間と廊下の隅っこに
僕は愛を 小さな愛を落としている
それに気付かない振りをしたまま
あてもなく彷徨い歩いた
風の無い夏の日はただ暑くて
過ぎ行くように鼻歌を
そうだ、透明だったんだ
君も僕と同じように愛を探していたんだよ、ずっと
ずっと、カーテンが揺れる間だけ二人手を取っては歌うのさ
そうだ、思い出したんだよ
カレンダーの裏に 波の随に
僕は愛を 見えない愛を探している
それを果たして見つけられないまま
宛てのない詩を書き続けた
風の無い夏の日をただ一人で
過ぎ行くように花束を
そうだ、透明だったんだ
君も僕と同じように愛を探してたんだよ、ずっと
ずっと、カーテンに君を見ていた
二人
そうだ、思い出したんだよ
相変わらず見えない愛も
ぽっと出の泡沫の夢も
全部、見えないならば透明だ
髪を乱すほどの夏風も
君以外が歌う愛の歌も
全部、触れないから透明だ
全部、透明だったんだ
僕が正にそうであるように愛も透明だったんだよ、きっと
ずっと、カーテンが揺れる間だけ二人手を取っては歌うのさ
そうだ、思い出したんだよ
君といれば僕に色が付くんだ
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