あめふりフィルム
背景は雨だった。
行く道全てに水たまりがあったと思うのだ。
それを踏み抜くことが出来ずに、僕は大回りして歩いた。
背景は雨だった。
あなたに出会ったあの日すら雨が降っていたと思うのだ。
それはドラマのように感傷的で、僕は思わずフィルムを止めた。
背景は雨。
雨が窓硝子を叩く音を聴いている。
それをBGM代わりにして、僕は
あなたとドラマに
水たまりを跳ねる詩を。
どうせなら
誘蛾灯に夏を見て、
水たまりから足跡が続くようにと祈る詩を。
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