青春のリアル

@sirosiro

第1話 青春のリアル

「青春のリアル」という論題を与えられた。これから、それについて語ろうと思う。私に、語る資格があるのだろうか。それは、わからない。とはいえ、書く必要があるだろう。青春というものは、人を惹きつけるものがある。なぜ、惹きつけるのだろうか。私は思うのだが、なんらかの可能性というか、未来、夢の存在がそこはかとなく感じられるからではないか。可能性や未来や夢が失われた時代には、なんの魅力もない。というか、なんらかの魅力があるとすれば、そこには青春があるかもしれない。さて、現代は、なんの可能性も未来も夢もない時代である。であるから、青春ではない。生けるしかばねみたいなものである。というような結論に達するのは、あまり良くないと思う。なんか、元気が出ないものか。回春剤を飲むべきだ。バイアグラ景気を使うために。


思考の隘路にはまると、脱けだすことはできない。人間の発想は、決まり切ったもので、専門家といえど思考の自由はない。専門家でもないので、さらに、なんの自由もない。といったような、暗いことばかり言っていてはいけないので、なんらかの、明るいことを言おう。明るさこそ、青春であろう。暗い青春でさえもが明るいのだ。完全な暗黒ではまだないのかもしれない。さて、つまり、言いたいことは、なにか間違っていたのではないかということだ。間違っていたなら、正せばいいだけだ。私は、正道に立ち帰るぞ。未来世界の住人としての常識を欠いていたと痛感する。今からでも遅くはない。未来世界の常識を身につけたい。未来世界の常識を身につけていなかったからだめだったのだ。


私は、希望を手にしている。何をすればいいのかがわかったからだ。平凡なことである。しかし、これまで怠ってきた、もしくはすでにわかりきっているとたかをくくっていたのだ。それさえわかったのなら、それで十分だ。

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