セカンドキス

デートの帰り


家の前まで


車で送ってくれた


あなた


このまま帰りたくないと


なにかを待っているような


言い出しにくいけど


なにかをおねだりしているような


そんな仕草がなんだか可愛いくて


そっと目を閉じて


くちづけを受け入れる合図


運転席から身体をずらして


覆い被さるあなたに


抱きしめられると


なんだか夢見心地で


不思議な浮遊感


空飛ぶ絨毯で


ふわふわと


飛んでいるような


前に進んでいるような


動いているような...


ような......


ような⁉︎




「う...動いてる! 車、動いてるよ‼︎」




緊張したあなたは


ギアをDに入れたまま


ブレーキを踏んでいただけらしい


サイドブレーキもかけず......




自称二枚目気取りのあなたは


とてもバツの悪そうな顔をして


少し凹んだ顔をして


そんなあなたが


少し愛しく思えた


セカンドキス


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