初愛
恋する心は
その時々で
恋する人が
その時々に
変わったとしても
変わることもあるだろう
だけれども
愛する心は
その時々で
愛する人が
その時々に
変わったりはしないから
変わるものではないはずだから
問題は
初恋はまだよいとして
初愛が全くよろしくない
もしその初愛が成就しなければ
心はずっと囚われたままとなり
もう誰も愛せなくなってしまう
誰かを愛せば
それまで愛と信じたそれは
もう愛ではなくなってしまうから
さすれば今あたらしく愛と感じたそれを
疑わずにはいられようか
だから個としての誰かを愛したのではなく
個を通じて触れた美しさを
愛したのだと思えばよい
その心であり
その優しさであり
時には容姿であったり
声であったり
あるいはその
滑るような白い肌を通して
触れたものであっても
なるべく個に捉われないほうに
目を向けたほうが
よいと思われる
そしてもしその美しさが
自分の中にも
見出すことができたならば
あなたは自分も
愛することができるだろう
鏡に映る
自分であっても
あゝそれでも人は
個としての相手を
愛したいと願い
個としての自分だけを
誰かに愛して欲しいと
願ってしまう
夢見てしまう生き物なのだ
全く初愛というものは
本当にやっかいなものである
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます