水素結合の言い訳
モノを細かく細かくしていくと
やがて原子になる
原子は陽子のまわりを電子が回っている
地球のまわりを月が回っているように
木星や土星のようにモノによっては
電子のお月さまが5つも6つもあるモノ
もあるみたい
いや、中には50個も60個も電子が回っている
モノもあるから人工衛星みたいにと言ったほうが
いいかも
ま、お月さまも地球の衛星なんだけどね
たとえば酸素は、電子のお月さまが6つあります
でも一つの衛星軌道には電子のお月さまは2つまでしか
回れないから、同心円のs軌道と楕円のp軌道って
いうのがあって、p軌道は彗星みたいな楕円軌道
が3種類の方向に別れてて電子が陽子のまわりを
回ることで電子がお互いにぶつからないようにしてるんだ
ところがその電子の奴がちょっと二股してね
近くにいた水素の陽子と酸素の陽子の周りを
両方回るようになるとね
水素と酸素はその一つの電子を共同所有するんだね
で、一対の水分子、水のもとになるんだよ
ところがね、電子はマイナス思考なやつだから
酸素のほうにいるときは酸素がマイナスで水素がプラス
水素のほうにいるときは水素がマイナスで酸素がプラス
気味になるんだね
これを水分子の分極と言います
電子は酸素のほうがちょっと好きみたいだから
酸素の周りに居ることのほうが多いみたい
だから水分子は酸素がマイナス気味で水素がプラス気味に
分極してます
分かりやすくいうと水分子はちっちゃい磁石みたい
になってるんだね、プラスとマイナスで
で、水の中は磁石みたいな水分子だらけで
プラス同士は反発してプラスとマイナスは引きつけ合います
この引きつけ合う力はかなり強くてね
せんもん用語で水素結合りょくって言うんだけどね
水が100°Cにならないと沸騰しないのも
接着剤がくっつくのも
みんなこの水素結合のおかげなんだよ
まぁそれはおいといて
楕円に歪んだ軌道で電子が回って水分子が分極してるから
この磁石はちょっと歪んでます
104.5°くらいの角度で
これもせんもん用語で
あっ、これは試験に出ないから覚えなくもだいじょうぶ
で、水が凍ったときはプラスとプラス、マイナスとマイナスは
離れようとして固まるんで
この歪みのせいで氷のときのほうが水の時よりも隙間ができて
固まるのです
ハイ、だからちょっとだけ密度が小さくなって軽くなります
だから水は4°Cのときのほうが氷よりも密度が大きく重くなります
本当は冷たい水のほうが密度が大きくて重いんだよ、普通は
だってお風呂は底のほうが冷たいでしょ?
でも湖が凍るときは一番上の水面のほうが先に凍るでしょ?
それは4°Cの水のほうが氷より重いからです
水素結合のせいです
もし氷河期に海が凍ったときに
海が底から凍ったら、凍ってしまってたら
地球に生命は生まれたのかな?
みんな凍っちゃったんじゃないかな?
だから今僕たちが生きているのも、
動物や花が生きてるのも、
みんな水素結合のおかげです
ちなみに寒い日に雨の水が
歪んで分極した水分子と近くの水分子のプラスとマイナスが
くっついて氷の結晶になると
これが雪になります
だから雪の結晶が幾何学的な美しい形になるのは
電子が歪んで陽子のまわりを回ってるからです
104.5°の歪みでね
だから接着剤がくっつくのも
氷の下で海や湖で魚が泳いでいられるのも
プランクトンが生きていられたのも
それが進化して僕たちが生まれてこれたのも
紅茶が美味しく淹れられるのも
雪の結晶が綺麗なのも
あんな綺麗な形をしているのも
みんな一緒
水素結合のおかげ
水が分極してるせい
電子が酸素と水素の二股をかけてるせいなんだよ
ふぅ……わかったかな?
だからそんな顔で見ないでよ
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