夏色列車
夏色列車、出発、進行! 車掌の声に合わせて、夏を乗せた貨物列車がレールの上を蹴るように走り出した。
運転手が夏空色のレバーやスイッチを操作しているのを横目に、車掌は貨物車両へ向かった。ドアを開いた瞬間、ムワッとした熱気が出迎え、砂浜、青い海、空が広がる。太陽の赤ちゃんがじゃれつき、車掌の周りを回るのを手で制す。ヤケドはゴメン!
浮き輪を蹴り、ヒトデのサーフィンを見守り、山際車両に乗り込めば、耳が死ぬほど蝉時雨。開いた窓から夏の花達が転がり出て、あちらこちらで咲いていく。ヒマワリアジサイはもちろん、フヨウやムクゲ、ハイビスカスのアオイ姉妹も。
列車は進む。夏色貨物を乗せて、世界中に夏を届けるために。
Twitter300字企画第七十九回お題より……「運/うん」(本文298文字)
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