給水塔愛歌
虹の塔よ
寂れた蔦の廃墟に
一本立つ
幾度となく
陽を浴び
雨を飲み
月にひやされ
闇をひそんで
きたことだろう
階段を上がるごとに
ゆっくりと
現れる
とりどりのタイルの色を
濃くさせて
いまは
ただ
土の平面だけが広がっている
薄汚れた美しい
お前の姿はもうない
虹の塔よ
虹の塔よ
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