ダーティーヒーロー 〜異世界の腹わた〜
一条 ヒカル
プロローグ 第1話
司馬響は市ヶ谷からの帰り道を歩いていた、わざわざ駅でコインロッカーの荷物取り出し、電車に二駅乗ってから降りて目指す指定の車迄徒歩で移動している。
吊るし品でない、パターンオーダーのスーツに登山用にも使えそうな大容量マルチカム迷彩のバックパックを背負い、手にはゼロハリバートンのブリーフケースを持っている。
市ヶ谷で自社の推すパワードスーツのエンジンシステムをプレゼンした帰り道だ、司馬はマイクロガスタービンの発電システムを推していたが自社は新型ロータリーエンジンも検討していた、新型ロータリーエンジンはエンジンハウジングがおむすび型でローターが繭型と言う、今迄とは逆パターンのロータリーエンジンで有る。
新型ロータリーエンジンはアメリカのベンチャー企業がアメリカ軍向けの小型APUコンペで指定を勝ち取ったメーカーとパテント使用契約を結び、広島の自動車メーカーとM社重工が共同開発している企画で、今迄のロータリーエンジンとは比較に成らない高圧縮比でディーゼル化も可能で直噴エンジンにも出来る画期的なロータリーエンジンだ、ロータリーエンジンの弱点の燃費性能を一挙に解決して小型APUとしても軍用車両の新型コンパクト高性能低燃費エンジンとしても期待出来るエンジンだ。
アメリカ軍はバッテリー方式の筋力補助型のアシストスーツ方式で行くらしいが、戦場での充電済みバッテリーを常に供給可能なロジスティックが可能なアメリカ軍とは違い、ライトアーマーパワードスーツを願う自衛隊は燃料補給で稼働出来るAFVIアーマードファイティングヴィークルインファントリを希望していた。
自分のタスクチームはマイクロガスタービンエンジンの方がコンパクトで燃費もベンチテストでは十分な性能を叩き出していたが、高温の排気温がセンサー探知されやすいのが難点でも、排気冷却剤とバッテリー併用でステルス機動が可能というプレゼンに市ヶ谷はどう判断を下すか微妙な所だった。
大陸の赤い旗のエージェントが強引な拉致オペレーションを行動に移す可能性が高いと判断した当局はこっそり人員を配置して私をガード中なので、いちいち手間の掛かる移動をしている。
有る繁華街のDIY専門ビルの前で高校生の集団が賑やかに話している、学祭のクラスの催し物の準備の為に買い出しに来ていたみたいだ、大声で話しているので内容が丸聞こえで少しクスッと笑ってしまう程。
路肩にハザードを点けたパジェロが停車してドライバーが降りて来てドリンクの自販機に向かう、後続でジムニーシエラも停車して自分の分もと叫んでいる時それは訪れた!
ユサユサユサ、ドン!!!車道走っていたコンビニの配送車がやや斜めに路肩に止まる、ビルから看板が落下してパジェロのドライバーを直撃した、ビルの窓ガラスが割れ鋭利な切っ先を向けて私のガードの一人の首筋に突き刺さる、悲鳴が上がる中で「しゃがんで荷物で頭を保護しろ」と俺は叫ぶがサラリーマンとOLは歩道の変圧器のボックスにしがみつく!
自分はチャクラを回して硬気功に金剛力を発して最悪の事態に備えた。
そしてバギンと大きな異音がしたと思ったらドーム状に切り取られた空間事、強烈な横滑りみたいな感覚を感じた瞬間、そこは棒状銀河の太陽系銀河らしき物と多分小マゼラン雲と大マゼラン雲にちょっと離れてアンドロメダ銀河が見えたと思ったら更に妙な膜みたいな風船みたいな物が浮かぶ空間に浮かんでた。
その空間は風船の様な膜・アメーバの様な物が無数に浮かぶ空間だった。
膜同士がぶつかると一瞬収縮したあとで点から急速に膨張し始める。
俺はは無数の宇宙空間が浮かぶ世界の可能性が有ると言う宇宙物理学の論文を思い出していた、強烈な横滑りみたいな感覚は薄れて何処に向かうか解らない、ベクトルを感じないが明らかに移動している ドームが器用に偶々浮かぶ風船にぶつからず移動していたが自身と周囲を啞然と見廻していると発光している自分に気が付きそして、自分に近い女子高生2人と引率らしき女教師も自分程では無いが薄っすらと発光しているのを目撃した。
チャクラを回しっぱなしだったが、未だに危険は去っていない、ますます自身の発光は強く成り周辺を燦然と照らす。
このままでは空間の漂流者に成ってしまうと漠然とした不安感が持ち上げて来て近くに漂っている膜に入らなければ、そして地球型惑星に漂着しないと死ぬかも知れない!どうせなら魔法とか有る世界とかの方が面白いか、鑑定とかインベントリとか異世界言語とか標準装備でさ、まぁラノベ展開は期待しないで漂流状態をなんとかしないと。
ただその事を頭に浮かべて願った瞬間に再びズルっと動いたと思ったら膜に突入していた!
そこは多数の巨大渦巻き銀河団が見える宇宙空間が見えたと思った次の瞬間に自分達のドーム状空間は大地に降り立っていた
そこは巨大裸子植物と被子植物の巨木の森が広がる世界だった!
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