びわ

 仲のわるい親子がいた。

 ある日、息子が庭にびわの木を植えていると、父親が怒鳴った。

「庭にびわを植えると死人が出たり、家がほろんだりするんだぞ。そんなことも知らないのか」

「そんな迷信を信じているなんて、おまえはバカだな」

「親に向かっておまえとは何だ」

 腹を立てた父親は、息子を殴り殺した。

 殺人罪で父親が刑務所に入ると、無人となった家は人手に渡った。

 彼の言ったとおり、びわの木を植えたら、死人が出て、家がほろんだ。

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