短編集「常ならぬ話たち」

青切

ある女

女は息子夫婦と三人暮らしだった。

ある日、嫁が女の右目を箸で刺し、失踪した。

女は自分は悪くないと言うばかりであった。

家のことを妻に任せていた息子には真偽はわからなかった。

女の世話は息子がするようになった。

またある日、息子が女の左目を箸で刺し姿を消した。

女は私は悪くないとだけ答えた。

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