第6話 貴方のおかげで



 ドライン様の破滅待ちをしていると、今度はピネスが私を嵌めようとしてきた。


 ピネスは前回の人生で、牢屋に入った私に会いに来た。


『可哀そうなフレンダ。貴方の無実を晴らしてあげるわ。でもそれには時間が足りない。無実を証明する前に、処刑されてしまうかもしれないわ』


 彼女は私を助けるふりをしながら、そう言って罠にはめてきた。


『友達の幸せは私の幸せ。一番の親友であるフレンダには幸せになってほしいの。だから、ここから逃げてしばらく隠れていて! 私が絶対に、あなたの無実を証明してみせるから!』


 だから、信じたのに。


 ピネスの手引きで牢屋から逃げ出した私は、あっけなく捕まって牢屋に連れ戻された。


 数日後、処刑場で二人そろって笑っている姿をみて、私は自分がいかに愚かだったかを悟った。


 処刑場まで、わざわざ見に来てくださった、神官様の言葉が耳に蘇る。


「可愛そうなフレンダ。こんなにも美しくて魅力的な君を騙そうとするやつらの気が知れない。君は何も悪くないというのに。今すぐ時を戻して、やり直すんだ」


 ありがとう神官様。


 貴方のおかげで、私は復讐できますわ。


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