第45話

 「何ですか。その目は。まるで僕が厄介者であるみたいに睨んで」


 はい。せっかくの休日を潰しに来る厄介者と思っています。と、心の中で思いつつ、口にはしなかった。初対面の人にいきなり、暴言を吐くなど、常識人である俺がする訳がない。しかも、この状況はよく考えたら、かなり良い状態。


 「僕が、厄介者でした。どうぞ、樋口を引き取ってお帰り下さい」


 これで、今家にいる厄介者も去る。


 「貴方!まるで、百合の事を物みたいに扱って、貴方は百合の何なんですか!」


 面倒くさい。

 ここで、「分かりました」と、言って樋口を連れて行ってくれたら、良いのに。


 「こうなったら、どっちが百合の婚約者プリンスに相応しいか、決闘です」

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