オロハネ10


 本にはそう書いてあるけれど、TR47台車(スハ43とか)の乗り心地が特に良いと感じた記憶は個人的にはない。


 ロザも、ロネも、ハネも、ハザも含めて、10系客車には一度しか乗ったことがない。

 福知山線のナハフ11だが、印象は特になし。


 とにかく10系ハザは引退が早く、国鉄末期には、いうほど走ってはいなかった。

 あっても編成中に1両、ポツンと入っているかどうかという感じ。

 だから、品客が長く使っていた控車のナハフ11(番号は知らぬ)を見かけた人はラッキーだったかも。


 鉄道模型の分野でも、旧型客車はたくさん作られ、販売されている。

 それを見ていて、不満というのではないが、

「なんか違うなあ」

 と思うこともある。


 現物の写真を見てもわかるだろうけど、客車列車って、ドアはほとんど開けたまま走っていた。

 夏も冬も関係なく。

 デッキの風通しの良いこと良いこと。

 その逆に、DLに引かれてトンネルに入ると、排気ガスが匂うこと。


 かつてある私鉄に、3軸台車の付いた客車がいて、わざわざ北海道まで乗りに行ったのだけど(それだけが渡道の目的ではなかったが)、最近はマイテなんかも復活して、

「3軸台車に乗ったことがあるぜ」

 というセリフもありがたみが失せてきた。


 オロハネ10という客車がいて、以前から思うことだが、

「オロハネ10のロネに乗った客は、オロネ10に乗った客に比べて損をしている」


 なぜなら台車が違うから。

 オロネ10は20系と同じTR55でエアサスだが、オロハネの方はコイルバネのTR50で、オハネフ12などと同じ。


 オロハネ10の車体で、ロネの側はエアサス付き台車だが、ハネの側はエアサスなしといったことは、きっとできなかったのだろう。

 だから同型の台車をつけたが、じゃあなぜ、バーンと太っ腹にTR55をつけてやらなかったのかねえ?

 コストダウン?


 一つの車両に違う台車がついているというのは、例は少ないけれど思いつく限り…


・キハ08 キハ09

オハ62やらオハフ61の改造車で、エンジンを乗せてキハにしたもの。

エンジンに近いほうの台車だけ、DT22にした。

反対側の台車はTR11のまま。

だが後に、何かの理由でTR11がTR23に変えられた個体もあったよう。

それをさらにTR51に交換したキハ083は、現在でも保存されている。


・キハニ36450

長い名前の車両だが、車体も短くはない。

ガソリンエンジンつきの電気式で、台車の片一方はTR11に似たものだが、もう片方はなんと3軸台車。

パンタグラフはないが、全体として旧型国電の香りがする。




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