第31話 レセプションパーティ
コンセプトカフェというとピンと来ない人もいるかもしれないが、ざっくり言えば昼間からやっているガールズバーみたいなもんである。
普通に飲めばガールズバーよりは比較的安価な値段で楽しめたりする。
「お酒、何飲みますか?」
「じゃあ、レモンサワーで」
俺はメニューの中から無難なものを選んだ。
「かしこまりましたー」
カウンター越しにいる女の子がそう言うとすぐにレモンサワーを用意してくれる。
その間、俺はなんとなく店内を見回していた。
クラシカルな雰囲気に、可愛らしい女の子の衣装。
そして、瑠衣さんが集める女の子はレベルが高い。
アイドルでもやっていけるのではないかと思うほど可愛い子が多い。
「あ、四宮さんスカウトしないでくださいよ」
隣のカウンター席に座ろうとしていた瑠衣さんが言った。
「流石にここじゃしないですよ。オーナーが座ってていいんすか?」
「ここでって、他ではスカウトしているみたいな口ぶりですね。もう、だいぶ落ち着きましたから」
そんな話をしていると、俺の頼んだレモンサワーが運ばれてきた。
「お兄さんはオーナーとお知り合いだったんですね」
「そうそう、こういう仕事しててね」
俺は名刺を見せるだけ見せた。
「そのプロデューサーってカッコいいですね」
「ありがとう。代表取締役の方がかっこいいと思うけど」
俺は笑いながら言った。
聞けば、ここに来ているのはオーナーの知り合いか、キャストの知り合いしか居ないらしい。
通りで、女の子もちらほらといるわけだ。
「この人はね、アイドル業界では凄い人なんだよ」
「瑠衣さん、やめてくださいよ」
テンションが上がってしまっている瑠衣さんは女の子に俺のことを力説していた。
「へー、凄いんですね」
「まあ、いろんな人に支えられたおかげといいますか」
「謙遜もしすぎは良くないよー」
瑠衣さんは俺のことは良く褒めてくれていた。
「まあ、素直に喜んでおきます」
俺はレモンサワーをゴクゴクと飲んでいた。
「で、今はどんなアイドル育ててんの?」
「この子たちです」
俺はスマホにWhiteのSNSを表示させて瑠衣さんに見せた。
「へぇ、可愛い子たちじゃん。よかったらゲスト出勤やってよ」
「ええ、僕の方からもお願いしたいと思ってたのでぜひ」
「おっけ、じゃあ詳細はまたメッセージするわ」
「ありがとうございます」
なんか、成り行きでゲスト出勤させることが決定してしまった。
そして、瑠衣さんは別の招待されている人の所に挨拶しに行った。
「こういう所でも仕事に繋がるんですね」
目の前にいた女の子は苦笑いしながら言った。
「まあ、結構あったりするよ」
新しい出会いや交流は仕事をする上でとても大切なことなのである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます