第4話 ポーションの改良
昨日は早めに寝たこともあり、目覚めたのは朝の5時でまだ薄暗い。
寝ぼける意識が少しずつ覚醒していく。
昨日の危険な失敗も少しずつ鮮明に思い出し、あの恐怖がじわじわと湧き上がってくる。
気分を変える為に、
試しに手を口に当て、口内に
コップをストレージから出し、ポーションを少し入れて飲む。量的には2口ぐらいしかないが、効果は劇的で目が完全に覚め非常に体が軽くなる。
超強力な栄養ドリンクだ!
しかし、味の方はやはり少し青臭い。ミントなどのハーブ類を混ぜれば、スッキリした味わいにならないかと考えて、ハーブ類を探そうと考える。
ジュースなどに混ぜれば飲みやすくなるかな?
果物でジュースを作ろうと、料理アプリを開いて『キッチン』に入る。
すると昨日は『切る』と『焼く』しかできなかったが、今朝は『煮る』や『揚げる』だけではなく、これまで地球でしたことのある調理法が殆ど出来ることが理解できた。
一度キッチンから出て確認してみると、料理アプリがLevel5に上がっていた。
実家の手伝いでおばあちゃんから料理を習っていたし、ここ数年は完全に自炊していたから、その経験が反映されたのかぁ。
料理アプリはLevel10が最大だからまだ先があるし、こんなものかと納得する。
すぐにもう一度『キッチン』に入ると、アプルとモモンのジュースをそれぞれ作ると、『キッチン』から出て、ジュースにポーションを混ぜて飲んでみる。
味はそれぞれのジュースの味だ!
青臭さなどまったく感じなくなり、ポーションだけより効き目が良いように感じた。
念のためジュースに混ぜたポーションを作って、ストレージに収納して解析アプリで確認すると、同じ分量のポーションより少しだけ効果が高い事がわかった。
何故だろう? やはり森の女神様の恩恵か何かなのか?
不思議に思いながらも、アプルジュースとモモンジュースに、それぞれポーションを混ぜて解析すると、モモンジュースの方が若干効果は高い。
モモンの方が甘いし糖度が高そうだ。もしかして糖度とかの燃焼エネルギーが高い方がポーションの効果を高めるのかな?
MPの回復にも果物で回復速度が上がったので、糖分が魔法や魔力に影響がある可能性もある。
その後はジュースを濃縮したり、ポーション作成の途中で混ぜたりと試行錯誤した結果、最善と思われる濃度や混ぜるタイミングが分かった。
その結果以下のように効果が上がることが解った。
アプル入り … 約1.6倍の効果
モモン入り … 約2倍の効果
やはり糖分が魔法や魔力と何か関係があると考えるのが自然だ。
失敗作のモモンポーションをコップに入れて飲む。失敗作といっても最高の効果がないだけで、飲むと疲れが一気にとれた。
ここまでの検証結果や製法をメモアプリに記述する。
外を見ると随分と明るくなっていた。時間を確認すると8時を過ぎている。
立ち上がると建物の外に向かう。向かいの草原で薬草やハーブが採取出来ないか、調べようと考えて草原に入って行く。
周りを少し警戒しながら地面に生えてる草花を一つずつ収納しては解析する。ポーションの材料のヒール草も少ないが見つけることができた。また地球で見たことのある香草などのハーブ類も見つかりそれらも多めに採取する。
他にも異世界固有の草花が見つかったが、その中でもシュガの実には興味を引かれた。解析すると、
[シュガの実]:
非常に糖分が多く含まれる実。魔物によっては好んで食べるが、人種が食べると中毒症状が出でて、時には死んでしまうことがある。生えている場所により含まれる有毒物質が変わる。
80%が糖分であり残り20%は土地固有の成分である。
これって錬金アプリで糖分を抽出すれば砂糖が作れるかも♪
採取に集中していると、気付けば草原の端の方まで来ていて、その先は木々が生えており奥に行くほどに森になっているのが見て取れた。
その端の一画に竹林のようになっている場所があり、警戒しながらも近づくと竹がたくさん生えていた。
この世界にも竹はあるんだぁ♪
武器の練習に使った鉈を取り出し、竹を切り出して収納していく。30本ぐらい収納したところでマップに魔物が表示されたので全力で逃げ出す。
どんな魔物か判らなかったが休息所からだいぶ離れていたので正直怖かった。
問題なく休息所につくと失敗アプルポーションをコップに注いで飲んで一息つく。
テーブルのある所で座るとすぐにスマートシステム開き、今度は木工アプリを開いた。
木工アプリの工房に入り先ほど採取した竹の枝を払い、適当な長さに切って水筒を作る。ついでにレベルを確認すると、木工アプリはLevel3になっていた。
すぐに水筒をレシピ登録して20本程の水筒を作成し、普通のポーションをその水筒の10本に入れておく。
続けて今度は錬金アプリを開き工房に入ると、シュガの実を出して『分離』で糖分とそれ以外に分けようとしたが上手くいかなかった。
『分離』は出来ないのか?
そこで『抽出』を使うと糖分が抽出され『砂糖の結晶』と表示される。
『砂糖の結晶』を取り敢えず取り出してみると、無色透明で丸いガラス玉に見える。シュガの実は親指の先ぐらい大きさだったが、人差し指の先ぐらいのガラス玉だな。
少し戸惑ったがそれを口の中に入れて舐めてみる。
氷砂糖というか味は砂糖だなぁ。おっ、MP回復が早くなった!
やはり糖分が魔法や魔力と何か関係があると考えるのが自然だ。
それに何となく砂糖の様なエネルギー効率が高い物ほどMP回復が早くなるような気がする。
その後はジュースの時と同じように、ポーション作成の途中で混ぜたり、砂糖の量を調整したりと試行錯誤した結果、最善と思われる量や混ぜるタイミングが分り、なんと驚くべき効果のある砂糖ポーションが出来上がった。
砂糖入り … 約3倍の効果
完成した砂糖ポーションも水筒の1本に入れておく。
次に砂糖の結晶を白砂糖にみたいに粉末にしてみる。錬金アプリで『粉砕』を使うと簡単に良く知った白砂糖が出来る。
そして料理アプリで砂糖をお湯で溶かして砂糖シロップを作り、さらにアプルジュースやモモンジュースを混ぜる。
それを錬金アプリで『成形』と『脱水』を使って飴を作る。
どうせなら美味しい方が良いしな♪
MP回復ポーションではないが、飴にしておけばMP回復リジェネ的な効果は期待できると思い、それならアプル飴やモモン飴も作ってみたのである。
シュガの実はたくさん採取しておいた方が良いな!
そして錬金アプリのレシピを使ってすべてのシュガの実から砂糖の結晶にすると、再び採取に向かって行く。
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