望郷

 以前は何も考えずに帰れた。

 特に用事がなければ遊び、学び、満喫できた。

 そしてすっきりとした気分で離れられた。


 しかしもうそんな日はこない。


 まずいつならいけるのか、状況の予測と運に左右される。

 不必要な用事であれば早急に退散せざるを得なくなった。

 そしてなんともいえないわだかまりが残る。


 これがこれからなんだよ。

 日常と常識は消えたんよ。



 そんなことわかってる。

 うるさいし言い聞かせるな。


 悶々とした何かを溜めて、今年も故郷を離れる。

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