レベアゲ無職

ミズキ

レベルアップ!!

今日は何しよう…

いつも通りの言葉から始まる日常

大学を卒業して早5年

三谷陽太は未だに無職である。

彼の友人達は、すでに大企業の会社員やOLして

働き、社会貢献をしている。

しかし、陽太は親の脛をしゃぶって

生活してる事に

親への罪悪感はあるものの、社会の冷たい目を

気にしたことなど一度もない。

これは無職の彼が誇れる唯一のことである。

(あ~、何もしたくね~!!)

そんなことをぐちゃぐちゃの部屋の

ベットの上で考える。

とりあえず、起き上がり腹の虫を倒すことに

専念することにした。

1階に降り、居間へ行き、茶舞台の上にラップで包まれている料理を見つける。

目玉焼き、ソーセージ2本、千切りキャベツの山

(今日もありがとう母ちゃん!)

現在パート中の母に感謝の祈りを捧げ終わると

キッチンへ行き、炊飯器からご飯をよそう。

居間に戻り、テレビをつけ、

つまらぬニュースが流れる。

(え!?今日最高気温37℃!!

人間死ぬやつじゃん!ぜってぇ、外でねぇ)

そんなことを思いながら、

半熟の目玉焼きを頬張る。

(うめぇ!やっぱ目玉焼きはソースでしょ!)

朝食も食べ終わり、冷凍庫を漁る

(確か、アイスあったよな~

あれ?ない!ない!

まさか、母ちゃんに食われてちまったのか…)

当たりである。

今朝、呼んでも呼んでも起きない無職の息子に

イラつきを覚えた陽太の母は

腹いせに彼が隠し持っていた

バニラアイスを食べてやったのだ

(まじかよ~、ひでぇよ、)

陽太の舌は既にアイスの舌になってしまっていた

しかし、もう家の中にアイスはない

残された選択肢はたったの1つである。

(しょうがない、コンビニ行くか)

彼の住んでいる地域は俗にいう田舎町で

コンビニは徒歩20分の場所に1つあるだけ

後は八百屋や精肉店などしかない。

なので、この地域の住人は基本的に車や自転車でコンビニに行っている。

しかし、運の悪い陽太

今日は母がパートのため、自転車はなく

彼は徒歩でコンビニに行くしかなかった。

(あぁ、まじ運ねぇ

 俺、今日死ぬんじゃね?

 そしたら、異世界転生とかできんのかな?

 うっわ!ちょー楽しみ!)

そんなことを考えながら、

無事にコンビニまで辿り着き、

強盗犯が来て撃たれることもなく、

無事にアイスを買えた陽太

アイスを咥えながら帰ることにする。

「うわ!!」

たまたま見た右手に「LEVEL-UP!!」という

文字が映し出されている。

「なんだ、これ?」

思わず、声に出して自分の右手を凝視する陽太

周りから見れば、ただの変人である。

「LEVEL-UP!!」の文字は1分程度で消え、

家まで帰っている間、そのことだけを考えていた陽太だったが、結局わからなかったので

考えることを諦めた。

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