好きな人が 二人できたら
成瀬 慶
第1話 出会ったころ
私と真田は、中学生のころ出会った
彼とは二年生の時
同じクラスで
その時には
ただのクラスメイトで
意識なんてして居なかった
三年生になって
クラスが離れて・・・
体育祭の準備をしていた時だった
それぞれの教室でクラス旗を作っていた私たち
暗くなった廊下で会った
4クラスしかない学年なのに
久々に顔をみた
髪の毛
伸ばしているのかな?
イメージ変わった
それに、少し背が高くなっていた
「お疲れ」
「お疲れ様」
その瞬間
以前とは違った
空気が、私たちの間に芽生えたことが分かった
私たちはそれから
毎日
放課後の廊下で話をしていた
体育祭が終わっても
放課後の教室で会っていた
毎日会うのに
いつも違って見えていく
彼の事が
ただの
話しやすい友達から
好きな人へ変化していくことを実感していた
秋が過ぎて
冬になって
「寒くなったね」
真田は自分のネックウォーマーを机に置き
手を入れた
「うん」
そう言って
私は反対から
そこへ手を入れた
真田は何の躊躇もせず
そこへ入ってきた
私の手を握った
「もうすぐクリスマスだね」
何もない
何も起こっていないような
そんな空気を保ちながら
会話は続く
「そうだね」
指と指とを絡める
真田の指
男の子なのに細くて柔らかい
「一緒にどっか行く?24日」
真田は、私をデートに誘った
私は返事ができない
だって24日は彼氏と約束があった
私が困った顔をすると
彼はニコリと笑って
「冗談・・・」
直ぐに言葉を打ち消した
「ごめんね」
絡んだ指を外し
手を離した
「謝るなよ
冗談だから」
真田は、ネックウォーマーを自分の首に巻き
窓の外をみた
雪が降り始めていた
"ガラガラガラッ"
教室の戸が開いた
「お待たせ…また、一緒だったの?
仲良しだな~」
その声は
彼氏の理玖だった
私と真田は
同じタイミングで
理玖の方をみる
真田は、ニコリと笑って
「お疲れ
早かったな!」
そう言って
自分の荷物を持った
理玖は、元サッカー部キャプテンで
秋に引退してからも
後輩のサポートのために部室へいっていた
私はいつも
それが終わるのを
真田と二人で教室で待って
一緒に帰っていた
そして、三人で帰っている
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