　僕が神経をすり減らしている間に、イーヴォがシエラちゃんにちょっかいを出していた。

　油断も隙もない。

　彼は僕の次に観察眼に優れていて、状況の把握が上手い。そして、生き抜くための逃げ道を見つけて行動する。

　自分の身が最優先で、いつ手のひらを返すか分からない人間だ。

　百面相なのは、内面からも持っている能力からも、僕よりイーヴォの方だろう。

　そのスリルが面白くてそばに置いている。

　次は事態をどうややこしくしてくれるんだろう。

　それとも、もしかして彼にも……？

　いや、奴のことはどうでも良い。

　それより、お父さんの職場見学を望むシエラちゃんは、何を企んでいるのかな？

　くくくくく。

　本当に可愛らしい。

　君がどんな行動をしても、

　君がどんな姿になろうとも、

　僕が全て受け止めてあげるからね。

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