「砂もない惑星」404nf

ニコニコ:https://www.nicovideo.jp/watch/sm38831720


Youtube:https://www.youtube.com/watch?v=G9zZ5hWr5p8


次に紹介するのは『砂もない惑星』だ。2021年6月3日投稿、製作者は404nf、使用音源は初音ミクだ。


タイトルから物騒な雰囲気が漂っていることに気付いただろうか。そう、この曲、『砂の惑星』に対する応答曲となっている。マジカルミライ2017のテーマソングとしてハチ(米津玄師)が制作し、当時大きな反響を呼んだ『砂の惑星』だ。

この『砂もない惑星』は、『砂の惑星』を始め様々な楽曲をオマージュする形で、現状のボカロシーンを綴っている。それも風刺的にだ。個人的にはボカロシーン全体よりも”ニコニコ動画における”ボカロシーンではないかと感じた。それゆえか、ニコニコでは賛否が大きく分かれた。無理もない。歌詞を見ると

「死んだ39(サンキュー)」

「砂漠ですらとっくに消えてしまった」

「僕らの歌に意味などないから」

「誰もがもうゾンビだったんで 咲き誇ることはないでしょう」

「シンデレラは死んでしまった」

「まぁ誰も見ちゃいない 興も殺がれるな」

かなり強烈な言葉が飛び交う。極めつけはこうだ。

「バカみたいな曲をバカに聞かせてる」

「こうしてツギハギの バカみたいな曲を水に流してる」

「そうして終わっていく 砂もなんもない星は」

作り手、聴き手、動画サイト、そして楽曲、全てを否定的に捉えている。ここまで言われて黙っていろと言うほうが無理だ。


先に述べた通り、この曲に対する意見は賛否が分かれている。ただそれは、4年前の『砂の惑星』も同様だ。様々な感想が出ること自体は何ら問題がない。むしろ画一的なコメントばかりになってしまったら、それこそコンテンツの終わりだと私は思っている。そして、何より私自身、この曲に対して複雑な感情を抱いている。また、ボカロを巡る現状について改めて考えるきっかけとなった。この曲を10選に入れたのにはそのような背景がある。


この惑星がどうなっていくのか、この曲と共にもう一度考えてみてほしい。

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