第7話 夢が動き出す
「おっちゃん、戻ったぞー」
レオンが勢いよく扉を開くと花屋のおじさんはそれと同時に走ってこちらへ向かってくる。
「ど……どうでしたか!?」
不安と期待を混ぜたような顔でおじさんは伺ってくる。
「討伐できましたよ」
おじさんは歩みを止め、目に涙を浮かべた。
「うぅ、ありがとうございます!!ありがとうございます!!」
何度もお礼を言いながら泣いているおじさんを見ていると私も泣きたくなってきた。
これがやりがいか。冒険者になるってこういうことなのか。
「おっちゃん、俺ら初めての依頼だったんだ。記念に一本、花を買っていくよ」
おじさんは涙を拭き、こちらに向き直る。
「うぅ、いえ、払わせるわけにはいきません。一本好きなのを選んでください。差し上げます!」
おじさんとしばし歓談し、冒険者ギルドへと戻る。
イノーとプルブルは外で待機だ。
中に入ると少し驚かれたような笑われたような気がする。
依頼に失敗したと思われているんだろうか。
生産職だし、まぁそう思うのは仕方がないよね。
「依頼、達成できました」
受付嬢は少し驚いていたが、すぐに平静を装った。
「では、確認を依頼主にした後、報酬をお支払いします」
「あ、そうだ。剥ぎ取りサービスお願いします」
剝ぎ取りサービス。動物などを狩ったとき、剝ぎ取りができなかった場合に依頼達成後にギルドの代理メンバーが代わりに剥ぎ取りを行ってくれるサービスだ。その代わり、自分で剝ぎ取りをする時より得られる素材資源や報酬は減る。
「ではそちらのソファーでお待ちください」
とりあえずこれで冒険者ギルドに加入できる。
そうしたら冒険者として活躍できるんだ。
「そういえばさ、これって報酬どれくらいって言ってたっけ?」
「あっ依頼を受ける前に聞き忘れちゃったね……」
少しばかり話をしていると奥のスタッフルームから出てきた受付嬢がこちらへ向かってくる。
「先ほどの発言失礼いたしました。そして、おめでとうございます。こちらがギルドカードになります」
受付嬢は深くお辞儀をして、2枚のカードをこちらへ差し出す。
先ほどの発言、依頼を受ける前のことか。あの時は加入するのに必死で何も覚えてないや。
「ギルドカードってなんですか?」
「ギルドカードとは冒険者様の達成した依頼や討伐した魔物の種類、報酬のうちの1つである、ギルドポイントの残高などの情報を内包するカードであちらのカードリーダーで確認出来ます」
ハイテクだなぁ。
「報酬はこちらとギルドポイントの2点となります」
「意外ともらえるんだなぁ!すげぇ」
報酬は3万オルド。大体500~600オルドほどで昼食が食べられるレベルだからしばらくは食いつないでいける。
「ギルドポイントって何に使えるんですか?」
「冒険者ギルドと提携しているお店などで使うことができます。たしか鍛冶屋、武具屋や宿屋が多かったので主に武器の調達と宿泊ですね」
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ドサリ ベッドにダイブする。
「はぁぁぁぁぁ…」
とてつもなく疲れた。依頼1つこなすだけでここまで疲れちゃうのか。
体力つけないといけないなぁと思いつつ、もう今日は立てそうにない。
突発的に村を出て、隣町のフィーンに来て冒険者になったけど、案外何とかなるものだな……。
しばらく村に戻らないと言ったけど、帰ったら説明しないと。
「おやすみ。イノー、プルブル」
ベッドはふわふわしていて、冒険者用宿屋も別に悪いものじゃないな。
さすがにイノーとプルブル入れるときに申請が必要で面倒くさかったけど。
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