第20話 レベルアップ
ギルド受付嬢のうさ耳ことシェリーは、何事なの、騒がしいわね、と呟きながら歩いてきてカツヨリを見つけた。またこの子なの?森にウルフを狩りに行ったはずよね。そう思っているとリリィとリコがアイテムボックスからどんどん素材を出していく。
「うん、ウルフね。え、数が多いわね。え、毛皮が黒い、ブラックウルフも狩ったのか。え、シルバーウルフ??森にこんなの出たの?相当奥まで行ったんじゃない?」
そしてリリィがニヤっと笑いツノを出した。
「!!!」
シェリーは声が出ない。ウルフのツノ有りはBランクに層別されている。サンディは、
「先にギルマスに報告しようと思ったんだけど不在でね。買い取りを先にしたのさ。突然囲まれて出てきたのがそのサンダーウルフにシルバーウルフ以下ウルフがうじゃうじゃ。まあ見事に統率されていてね。カツヨリがいなかったら全滅してたよ」
いやあ、それほどでもって照れてるフリをしたが誰もカツヨリを見ていなかった。素材が凄すぎたのだ。カツヨリは何だよ、と思いつつ戦いを思い出していた。確かに手強かった。剣が食い込んで離れなかったもんなあ。カツヨリはあれは何だったのだろうとサンディに聞いてみた。
「サンディさん。あのサンダーウルフだけど身体強化的なスキル使ってなかった?なんか黄色いオーラのバリア見たいのが見えたんだけど」
「そのオーラのバリアとはなんだ?」
通じないか。ここは空と海の間、いや大地だったっけ?にあるわけじゃあないのね。体を何か魔力みたいな物が包んでて防御力が上がってた気がすると言うと、
「そうか。それでわかった。私は昔サンダーウルフと戦った事があるがあそこまで皮膚が硬くなかった。スキルで強化していたのなら納得だ。だがよく勝てた。リコの機転のおかげだな」
「この装備のおかげだよ。ありがとうね、お兄ちゃん」
リコは、魔道士セットが無茶苦茶気に入ったようだ。アイテムボックスから全ての素材を出した後、査定額を待っている間にウラヌスが帰ってきた。サンディが何があったかを報告している間にカツヨリ達はシェリーに頼んで鑑定鏡でステータスを確認した。だって結構倒したからね、どれだけレベルが上がったか楽しみっしょ。
まずはリコから
リコ
人族 女 12歳
Lv 12
HP 33
MP. 41+36
力 16
防御 16+30
魔力 30+32
素早さ 12
運 15
魔法 風 Lv 3 火 Lv 3 回復 Lv 2
スキル
<私は魔道士> <MP自動回復小> <MP消費削減小>
固有スキル
なし
うん、リコには本当に『私は魔道士』が付いてる。レベルも一気に12まで上がってる。Bランクの魔物は経験値も多いよね、そりゃ。+補正は防具かな? 次はリリィだ。
リリィ
人族 女 16歳
Lv 14
HP 49
MP 60+2
力 26
防御 20+4
魔力 32+6
素早さ 20
運 15
魔法 風 Lv 3
スキル なし
レベルが上がってステータスだいぶ上がったね。魔法石のネックレスの効果が魔力+4かな?次はおいらの番です。
カツヨリ
人族 男 16歳
Lv 15
HP 250
MP 200
力 150
防御 150
魔力 150
素早さ 150
運 110
魔法 xxxx
スキル
<状態異常防止Lv5> <魔法ダメージ削減Lv5> <剣技Lv8> <抜刀技Lv10> <二刀流Lv2> <射撃Lv6> <体術Lv6> <加速Lv4> <HP自動回復小>
固有スキル
剣神 女神の加護 勇者の影 魅了
うん、ステータス上がりすぎ。レベル1で10くらい上がってる。体術や加速も上がったけど戦闘で使ったからかな?サンダーウルフはまあ手強かった。魔法ダメージ削減と状態異常防止のおかげだと思うけど痺れがすぐ取れたから勝ったようなものだし。そういえばスキルに二刀流ってあるじゃん。剣もう一つ買おうっと。
あれ?俺に魅了ってスキルが増えてる。あ、もしかしてあれか。思い出した。今晩アンジェラの家に行かなきゃ。え、何しにって?そりゃ神官様には色々と聞かないとね。魅了ってどういう効果があるのか?アンジェラが豹変したのはこのスキルの効果だろうけど他の女性は別に変わらないし。まあそのうちわかるでしょ。
ウラヌスとサンディの話は終わったようだ。明日朝、ギルドに所属する冒険者全てに森の調査依頼を出すそうだ。これだけ大掛かりな調査はこの町始まって以来らしい。それだけ緊急度が高いって事だな。まあ、あんなのがゴロゴロいたら確かに敵わん。通常の冒険者だとポーション切れたら保たないし。
この後稽古をつけてもらおうとリリィとリコはサンディを待っていたが、サンディは奥の部屋から出てくるなり、
「カツヨリ。すまん、私は王都へ行かねばならん。戻ってきたらまたパーティを組んで欲しい。リリィ、リコ、無茶はするなよ」
と言うなり走り去っていった。ギルマスとどんな話になったんだ?暫くするとウラヌスが出てきたので聞いてみた。
「ウラヌスさん。サンディさんが王都へ向かうって走って行ってしまったのですが、どんなお話だったのですか?サンディさんとはパーティを組んでいたのでなんで急にかと」
「カツヨリ。ありがとう、Bランクの魔物を倒してくれたんだってな。だが、この町の近くでそんなに強い魔物が出た事は過去に一度もないんだ。何かが起きている。悪いが明日朝ギルドに来てくれ、森の調査をお願いしたい」
「それは良いですが、サンディさんは?」
「ああ、サンディは王都にいるお姉さんのところへ行ったよ。王都のギルドに応援を依頼しにな」
お姉さんって人間に嫁いだっていう人かな?それとギルドに何の関係が?
「サンディの姉は王都のギルドマスターの嫁だ。使いを出そうかと言ったんだが人に頼むより自分の経験を話した方が早いとさ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます