依存

詩人は書くことに依存をしているし

なんなら読み手にも依存をしている


自分の波を音に変える楽器奏者のように

より響かせるべく淡々と表現を練っている

詩には楽譜がなく即興なのでたちが悪い

自らの含有物がどんどん主張してくる


でもそれは

人が人として生きていくことと

何ら違わないんじゃないのかな

恋とか愛と同系列じゃないのかな

評価や見返りを求めずにはおれない

醜く可愛い誰かがそこにいるでしょう


無償に見えることにだって

安心や満足感はつきまとうもの

心を持ち合わせている限りはね

魂が生きている限りはね

ちゃんと食べないと死んじゃうの


人という字は支え合いだという話

依存され依存するそんなドグマ

ドグマチールを投入しようか

生きるうえで生じる不条理の襞

社会性はまさにこんな感じのモデル


読者は著者に依存をしているし

なんなら著作にも依存をしているという

共依存にも似た話





20210824

深夜の二時間作詩 第122回「依存」

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