第443話 魂魄と石板Ⅰ
「続いて3人こっちへ来い」
「何だ? 何もしていないのに本当に余達にも
「勿論だ。我は嘘はつかない」
ゾークがそう言うと3人は顔を見合わせた。
「何もやっていないのにいいのかな――?」
「妾達は見守っていただけじゃしのう。少し気が引けるわい」
「でも本当に
「確かにそうですね。それではお願いします」
「全員一気に与えることはできないから、1人ずつだな。まずは娘からにしよう」
「お願いします。でも何の
「まあ待て。ちゃんと今後役に立つであろう
「巫女――って巫女?」
ゾークはミクちゃんの問いかけにコクリと頷き、ミクちゃんの頭に手を置いた。そして数秒して離す。
戦闘値は300程上がって7,800。もうここ最近で一気に皆のステータスが上昇したから、今更突っ込む必要も無いだろう。問題はミクちゃんも
「――凄いスキル手に入れちゃった。でも巫女って言うとあの巫女かな?」
「そうだろうな。どうなんだゾーク?」
「2人が想像している巫女で合っていると思う。もう随分と前だが
「――一体いつの時代の人だろう? 現代の人じゃ無さそうだよね?」
「平安時代とかか?」
「ざっくりだと1,000年程前だな」
「――平安時代だな」
「本当に色々な人がこの世界に来ているんだね」
「この力を授けたのは娘の顔とその巫女の女性と似ていたからだな。それに持っているスキルの属性も似ている。なので我が持っている
「そうだったんですね。新しいユニークスキルの
「そのスキルは闇の力を寄せ付け無いというものだ。当然、黒龍にも有効的だ。まあでもどんな風なスキルかは具体的には分からないがな」
「アスモデウスさん、ちょっと闇属性のスキル放ってくれませんか?」
「別に良いぞ。いつでもいいのか?」
「はい」
そう言って2人は何やら実験を始め出した。まあ気になるスキルがあったら早速試したくなるわな。
ミクちゃんとアスモデウスさん一度距離を置いた。大体10m程と言ったところか。万が一にもアスモデウスさんの攻撃が直撃してもミクちゃんに大したダメージは入らない。
「
そう言って放たれた邪悪で禍々しい闇のエネルギー光。距離が近いのでミクちゃんに到達するのは0コンマ何秒という世界だ。対してミクちゃんは立っているだけだった――が。
「ほう――そう来たか」
アスモデウスさんはそう呟いて嬉しそうだった。俺も意外な効果に驚いているが一番驚いているのはミクちゃんだ。
「凄い――何もしていないのに攻撃が消えた」
攻撃がある程度近付くと、
「それ、
「そういう事になりますね――」
「気に入ってくれたようだな。それでは次はアスモデウスだ」
そうしてアスモデウスさん、
と、言う事で、ミクちゃんは平安時代の巫女さんの転生者の
「余は特に何もしていないのに、凄い力を手に入れたようだな」
「嫌な奴じゃのう――Z級になっているじゃないか。鑑定士でステータスが視えない」
「ん? Z級になったという事は8,000に到達したのか」
「そうですよ!
ミクちゃんは
「因みに
「そのようだな。ミク殿の下位互換ではあるが、少し先の未来が視えるようだ」
「いや、それだけでは無いですけどね」
俺がそう言ったのは、
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