第405話 授けられた名刀
あれから俺達はドラグーンタワーに招かれた。
「ここだ」
俺、ミクちゃん、マルファスさんはドラグーンタワーの中間地点にある書斎に連れてこられた。まるで図書館のような広々とした空間で古書から巻物、重要な文献など色々な種類が保管されているようだ。
「こっちだ」
そう言われてついて行くと、
「ここだ。マルファスは知っているがお主達にも目を通しておいて欲しい」
ただ、読み進めていくと
「すべてを焼き尽くすか――俺達熱無効のパッシブスキルを持っていて良かったな」
「そうだね。黒炎って何かものすごく格好いいね」
俺とミクちゃんがそう話をしていると、
「
「――マジですか?」
「マジだ」
そしてさらに読み進めた。
「ナリユキ殿、随分な苦笑いを浮かべているな」
「それはそうでしょ。何から何までランベリオンと比べ物にならない威力なんですから」
「確かにそうだな。
「
「最終的にはそうだな」
「俺は当時魔界にいたからね。だから龍騎士が魔界に来て、気付いたら魔王ルシファーとして姿を変えていたのは驚きだったよ。
「ナリユキ殿もミク殿もこの古書によく目を通しておいてくれ。そしてナリユキ殿に渡しておきたいものがある」
「渡しておきたいもの?」
「ああ。ついて来てくれ」
そうして俺は
「ここは何ですか?」
「余は刀コレクターでな。一番気に入っているのは、青龍偃月刀なのだが、それ以外にもこの部屋には世界中から集めた珍しい刀や、余が鍛冶職人に造らせた刀が存在する。ナリユキ殿をここに連れて来たのは、ある一本の刀を譲ろうと思うのだ」
「別にいいですよ」
「よくない」
「ナリユキ殿はマルファスやミク殿のように、特殊な剣をアクティブスキルで発動することができない。原則として
「本当に大変だったんだ。オーラルドを組み込む為に、MP消費が多い
マルファスさんはそう言って苦笑いを浮かべていた。
「だから、
「その刀の名前は
「そんな貴重な一振りを俺に? 本当に大丈夫かな」
「大丈夫だ。実際にその刀を持つことができているではないか。試しにマルファスに預けてみたらどうだ?」
「何でそんなに嫌がるんですか?」
「俺はその刀を数秒持っていて死にかけたことがある。その刀が主では無いとみなすと、身体が発火するんだ。熱無効などのパッシブスキル所有者もその刀を握ってみたが、見事に炎に包まれた。どういう原理かは分からないが、とりあえず熱無効のパッシブスキルがあっても関係ないらしい」
マルファスさんは必死に俺にそうアピールをしてきた。そう考えるともの凄く恐ろしい刀だな。
「因みにこの刀って買うとどれくらいするんですか?」
「値はつけられないだろうな。使っているアイテムがレアアイテムだし、その刀は
マジか――。
「一振りするだけで大地や空を切り裂くと呼ばれているが、実際に振ることができた人間はいないがな」
「つまり振るだけで
「まあそういう事だな」
涼しい顔でとんでもない発言をしているぞこの人――。
こうして俺は
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