第10話 Past - Beginning

【前書き】

なろうには書きましたがカクヨムではこう言った形で連絡(?)させて頂きます。

Pastに関しては正直飛ばしても大丈夫です。Past外れたら即戦闘再スタートなので…

正直飛ばしても支障はそこまでないです。

では本編をお楽しみ下さい!では!



 ────死を体験した事は転生者だから勿論のこと一度はある。自分の場合は階段から突き落とされた時だろう。


 ×                         ×


 転生者の生前、学生時代────

 

「お前さ……いい加減うざいよ」


「は?」


 突拍子もなく突然転生者、リクに嫌悪を孕んだ声が投げつけられた。

 

「いや……その呼んでもないのに勝手に遊びに参加してきたりとかさ……俺達あんましお前の事好きじゃないんだ」


 先程の大胆さとは打って変わって目線を逸らし、頬を人差し指で撫でながらリクの同級生は言葉を紡いでいく。

 後ろで「俺達」と括られているグループの人達がリクと目の前の同級生の会話を見て頬を緩ませていた。

 大方ジャン負けが言うとでもなったのだろうとその瞬間リクは理解した。


 ────前々から避けられている様な気はしていた。


 不自然に遊びに誘われなかった時もあればパーティーゲームにオンライン状態なのに誘われなかったりと色々と心当たりがリクにはあった。

 しかし、声には出さなかった。


 心の何処かで避けられていると思いつつもそれを信じたくなかったのか無理矢理にポジションに考え、その考えを曲げてきた。

 きっと、偶々都合が合わなかったんだと。


 しかしそんな考えはいとも簡単に壊されてしまう。


 目の前の同級生の放つ言葉の一つ一つが脳に直接訴えかけている様な気がする。

 何故かグループ以外の周りの視線すらも自身に集まっている気がする。


 勿論それは精神状態の問題なのだが今のリクにそんな状況を冷静に見極める事などできる筈も無かった。


 その結果、いざこざへと発展していく────


「何だよそれ、は?いや、待てよ。俺なんかしたか?」


「いや、まあ調子に乗りやすいって言うか……ほら、人間相性があるじゃん!俺達とは合わなかったんだよ」


 同級生の必死の弁解にリクは更に声を上げる。

 リクにとってその弁解は耳障りも良いところだった。


 リクは合う仲なんだと信じていたのだ。しかし周りはその信用を拒絶していた。

 この事実がリクの言葉に怒気を混じらせていく。


「そんなん……んだよそれ!」


 怒気は高まるがその一方でうまく言葉が出てこない。

 それはリクの心の中には確実に『避けられている』という自覚が明確にあったからである。


 それを捻じ曲げて勝手に信じていた事を裏切られた、否、否定されたのだ。

 それを思うとリクは言葉をうまく紡げなくなった。


「まあまあ、他の人と仲良くしろよ!そっ、それじゃ!」

 同級生はそんなリクの様子を伺いつつ隙を見て言葉を早口で伝えたのち、その場をグループの人達と去ってしまった。


「マジかよ……」


 リクは無意識にその言葉を小さく、去っていくグループの人達の背中に投げかけた。

 無論その言葉は届く筈もなくその後ろ姿は楽しそうに遠ざかっていく。


 その時のリクの目には誰が見ても一目で感じられる程に濃い、哀愁が漂っていた。

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