1月28日(土)曇り時々晴れ 奮起する大山亜里沙その3

 雪降りの数日を抜けた土曜日。

 本日は元々の土曜授業の日で、天候的にも問題なかったので予定通り行われる。

 先日の臨時休校分は別日に充てられるだろうから……2月は土曜授業ばかりになりそうだ。


 そして、時々溶けた雪が落ちる音を聞きながら授業を受けた後のお昼。


「うぶクン、ミチ。アタシ、2月から塾行くことになった!」


 路ちゃんと話していたところに大山さんがそう報告する。


「おお、話が進んでたんだ」


「まぁ、まだ契約はしてないんだケド、確定したってことで。明日、説明を受ける予定」


「亜里沙ちゃんも来るならもっと賑やかになるね」


「お~? うるさくしちゃうかぁ。美里もいるし、途中参加でも気まずくならないのはラッキーだね」


「あれ? 大山さんが僕らと同じ時間割になるのかはわからないんじゃないの?」


 僕がそう指摘すると、大山さんは驚いた表情になる。


「えっ。あれって時間割分かれるカンジなの……?」


「資料に書いてあったかはわからないけど、2年生全員が同じ時間帯には受けられないから」


「それはそっか。えっと、うぶクンとミチと美里は……月・水だっけ? うーん、同じ方がいいとは思うケド、ダメな可能性もあるのか……」


「希望は出せるだろうから、明日聞いておくといいよ」


「そうする! いや、事前に言っといて良かった~」


 大山さんはそう言いながらスマホにメモを取り始めた。

 その瞬間、僕は路ちゃんの方に少しだけ目を向ける。


「……? どうしたの、良助くん?」


「い、いや、なんでもない……」


 先日、女の子と話す件を聞いていたから思わず様子を窺ってしまったけど……普通に考えたらこれくらいは大丈夫か。

 あまり意識し過ぎると逆に不自然になってしまうから気を付けよう。


 それはともかく、大山さんは入塾の話は滞りなく進んだようで安心した。

 大山さんが同じ時間帯になってくれたら……重森さんに対してツッコんでくれそうな期待があるので、僕としては同じになるといいなぁと思った。

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