1月14日(土)曇り時々雨 明莉との日常その72
大学入学共通テスト一日目の土曜日。
自分が受験するわけじゃないけど、清水先輩や桜庭先輩、文芸部の先輩方がいるせいか、妙に緊張していた。
文芸部のグループの方には昨日メッセージを送っていたけど、清水先輩と桜庭先輩には個人的に送るのはどうかと迷っているうちに今日を迎えてしまった。
応援がプレッシャーになるタイプでは無さそうだけど、返信するのに余計な思考を割かせるのは悪い気がする……というのは僕がネガティブ寄りの思考だからかもしれない。
「あかりも3年後にはまた受験かぁ……」
「今はそっちの心配をする必要はないと思うけど」
「いや、本気で言ってるわけじゃないから」
勉強の休憩に来た明莉はそう言う。
明莉も今月末には私立の入試が行われて、同じタイミングで公立の願書の提出が始まるらしい。
「でも、今日は生憎の天気だねぇ。あかりの受験当日は晴れてるといいなー」
「気分的にも交通状況的にも天気がいいに越したことはないか」
「りょうちゃんもさすがに高校受験の時は送り迎えして貰ったんだっけ?」
「うん。影響ないだろうけど、一応、体力温存ってことで」
「なるほどねー りょうちゃんはあんまりスタミナないから」
そこまで考えていたわけじゃないけど、体力がないのは本当だからその時の判断は正解だったと思う。
ということは、来年度に向けて体力づくりもすべきなんだろうか……いや、それをしている暇があるなら勉強した方がいいか。
「あかりも体力落ちてるだろうしなぁ。栄養ドリンクとか飲んだ方がいいかな?」
「いや、それ使う方が体力落ちそうな気がするけど。明莉って長いテストだと眠くなったりするの?」
「そんなことはないはずだけど……緊張感で逆に眠くなる的な?」
「ないとは言えないか」
「最近、受験に持って行くべき物って検索してチェックしてるけど、結構色んなこと書いてあるんだよねー いざという時のカイロを持つべきって書いてるところもあれば、温度調整しづらくてあまり使えないって書いてるところもあるし」
「その辺は人によるからなぁ。まぁ、学校で先生に聞いてみるのが一番だよ。正直、僕は時計を忘れないすることくらいしか覚えてないし」
「あー、時計ね。なんか壁掛け時計持ってくる人もいたって書いてあった」
「……面白ネタ調べてるの?」
「いやぁ、あんまり硬い記事ばっかり見てもつまらないし」
そういう思考でいられるなら、本番でもそれほど緊張せずに受験できそうな気もする。
でも、こんな明莉でも根は僕と似てネガティブなところもあるから、困った時に助け船を出すために僕も情報を調べておこうと思った。
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