6月18日(土)曇り時々晴れ 家族
蒸し暑い土曜日。梅雨入りしたと思ったらそれほど雨が降らずに暑くなるのは夏が早まっているのだろうか。このままの感じで行くと、今年の夏はとんでもない暑さになっているかもしれない。
それが理由というわけじゃないけど、今日の僕は家から出る気がしなかったので、課題をやりながら1日を過ごした。
そんな中で今一番考えておきたい話題……清水先輩の悩みについても少しだけ考えてみた。
清水先輩は両親との3人暮らしだけど、小さい頃から両親が仕事に忙しいせいで寂しさを感じていた。だけど、両親は決して冷たいわけではなく、清水先輩に対しては何でも受け入れてくれたという。
そこだけ聞くと清水先輩が単にさびしんぼうであったようにも思えてしまうけど……今になって悩むということはそれだけじゃない何かがある。
普段の清水先輩と話す時、両親はどう接していたのだろうか。清水先輩を水族館へ連れて行った時、両親はどういう気持ちだったんだろうか。
僕はまだ親になっていないから想像できる範囲は限られてしまう。
それなら、僕自身の家族と比較して考えるのはどうだろうか。僕は両親と妹の明莉の4人暮らし。両親は共働きではあるけど、小さい頃の記憶に残るほど寂しい思いをしたことはない。清水先輩と同じように時々は遠出したりすることもあったけど、小学校低学年くらいまでのことは両親の方がよく覚えているし、それ以上の年齢になると楽しい思い出の方が残っている。
1つ違いがあるとすれば妹の明莉の存在だ。僕が2歳の時には明莉が生まれたので、そこからは1人ぼっちになることは少なかったように思う。
でも、兄弟姉妹の有無で言ってしまうと、身も蓋もないことになってしまう。
僕の両親はわりと温厚だ。もちろん、良くないことをした時はしっかりと叱ってくれるけど、怒鳴り散らすようなことをされた覚えはない。ちなみに本気で怒ると怖いのは母さんの方だ。父さんは明莉には非常に甘いし、それに引っ張られる形で僕も甘やかされていると思っている。
それに対して清水先輩の両親は……今までどんなふうに清水先輩叱ったのだろうか。清水先輩の口ぶりから両親を怖がる印象はなかった。けれど、清水先輩が本当の気持ちを言えないのは、両親に対して無意識の恐怖心を覚えている可能性がある。
いや、両親に対してトラウマ的感情があるなら、これからも傍にいたいと思わないか。
そうなると、清水先輩の両親は……清水先輩に最も近い存在なのに、遠くに感じてしまうような存在なのかもしれない。
清水先輩は自分で親離れができていないと言っていたけど、そもそも離れられるほど近づいていなかったと。
……などと、こうやって書いている時点だと僕の想像でしかないので、何とも言えないことだ。
ただ、少し考えてわかったのは、今の僕が僕でいられるのは、僕の両親と明莉がいたからこそのものだということだ。
だから、きっと今の清水先輩を形作ったのは、清水先輩が元から何かあったというわけじゃなく、家族の影響が大きかったのだろうと僕は思う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます